ニコンF70Dパノラマの焦点板 新・カメラの豆知識115
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一般的にMF一眼レフの焦点板には片面に集光用のフレネルリングの溝群、もう片方の面が焦点面で、マット面を基本に中央部にスプリットイメージの対のプリズムやピラミッド状のマイクロプリズム群が配置されているものが標準的でした。
AF一眼レフでは焦点面はマット面のみが基本となりましたが、これらの焦点板の製造には主として透明度が高いアクリル樹脂を材料としたプレス成形が使われてきました。
従って樹脂のプレス成形に使う金型の精密加工技術に負うところが大きいです。
(ニコンのF/F2用のD型スクリーンなど、フレネルリングなしでマット面のみのものなどガラス製の焦点板の例もありました)
製造用の精密金型の直接加工あるいは焦点板の原器となるマスタープレートと量産用の転写精密金型の製造には高度な技術が必要で、匠の超絶技巧が生きる世界でもあるようです。
このあたりは日本が得意としていた分野ですね。
焦点面のマット面は、砂ズリ(サンドブラスト)式からレーザー照射によるマット面形成、微細な円錐形状のマイクロレンズ群を敷き詰めたような方式(ミノルタではアキュートマットと呼称)から発展してきて、今回の記事にあるようにF70登場の時代(1990年代半ば)にはファインダーで見るボケ具合違和感を低減した半規則型球形マイクロレンズ配置のマット面なども登場したわけです。
そしてコニカ・ミノルタなどでは規則配置ながら球形のマイクロレンズの曲率を個々にコントロールしたスフェリカルアキュートマットをデジカメ時代のα-7DIGITALに採用していました。
ニコンやミノルタは伝統的に優れた焦点板を多く出してきたと思います。
これらの精密加工技術は、今日ではイメージセンサーの受光素子の前に組み込まれる微細なマイクロレンズ群の成形にも応用されていることでしょう。
投稿: MARK12 | 2011年2月24日 (木) 20時28分