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1983年11月号のニコン新聞には、同年6月の20世紀最後の皆既日食観測においてニコンF3が活躍した事を紹介していました。
2011年2月 4日 (金) NikonF3 | 固定リンク Tweet
いまでは余りインパクトを感じませんが、あの時代に戻ってみると、実に画期的なことだったと思います。
マイコンで一括制御できたことは当時の技術の最先端で、マンコンに使われていた集積回路がICでアナログ制御ですが、この後、現在に続く観測機器の基礎となっているものと思って間違いないでしょう。
投稿: ガタピシ | 2011年2月 6日 (日) 19時35分
Nikon F3の絞優先AEでの露出制御はアナログでしたが、マニュアルでのシャッター速度制御はディジタル制御でした。 従って、それなりの改造を行えば外部信号によるシャッター速度制御も可能となるわけですね。 1980年代の初期には、8ビットのマイコン(CPU)(1974年発表のインテル8080等)はパーソナルコンピューター(PC)等で普及を始め、16ビットのマイコン(1978年発表のインテル8086等)も使われ始めていました。 これらのCPUを内蔵した産業機器も少なからず出回っていたと思います。
F3には水晶発振器やLSI等のICは使用されていますが、CPUは内蔵されていませんね。今回の記事の皆既日食観測用のシーロスタットに使用されたF3の改造内容がどうだったのかは興味があるところです。 マイコン側の入出力信号のデータバスは、8ビットだったのか16ビットだったのかは分かりませんが、改造F3には信号変換してそれぞれに渡していたのではないかと思います。 F3本体だけでなくモータードライブのMD-4側も改造していたんでしょうかね。MD-4のグリップ内にある基板の回路はアナログ主体だとは思いますが、本体内部の上面にあるフレキシブル基板にはフラットパッケージのICが載っていました。
それと記事のシーロスタット+撮影装置概念図に示されている天体望遠鏡から撮影カメラへの光路分岐の各ビームスプリッター(ハーフミラー)は、配置が直列になっていますね。 ビームスプリッターの透過率と反射率の比が仮に3枚共に同じなら、各カメラへの光量がだいぶ違ってきます。 概念図では、カメラの前に置かれた干渉フィルター群が同軸で回転するように描かれていますので何か工夫があるのでしょうね。 動くものとタイミング的に同期させて撮影させるためにもマイコンによる一括制御が必要だったのでしょう。
投稿: MARK12 | 2011年2月 7日 (月) 20時53分
この時の観測は 国立天文台報VOI.1[「1983年インドネシア日食におけるコロナ観測」にF3の改造内容等を含め詳細が記載されています、国立天文台のページから簡単に辿れます。 マイコン、カメラ、天文のマニアには垂涎モノ?
投稿: tune | 2011年2月 8日 (火) 07時01分
MARK12さんの記事からしても、ニコンのフラッグシップ機のF3がメカニカルシャッターから、電子制御にしたのはやはり現在に続く、遠隔一括制御にコンピューターを利用する時代が来ることを読んでの開発だったのが分かります。
1980年代にはデジタル制御によるコンピューターが出ていたのを忘れていました。 10式への置き換えが決まった74式のコンピューター制御の射撃管制装置がアナログ式だったので、そちらの方に思考が引っ張られました。 この頃、第一線部隊に配備が始まった第3世代の戦車の射撃管制装置が同じコンピューターでも、デジタル式になったので、74式戦車のアナロク゜式は古いとゆう記事を思い出しました。
投稿: ガタピシ | 2011年2月 8日 (火) 13時17分
tuneさん
下記の資料のご紹介ありがとうございます。 21ページの論文で改造F3についても詳細な記述がありますね。ゆっくり読ませていただきます。 他の興味ある方のためにもURLを貼っておきます。
国立天文台報 VOI.1「1983年インドネシア日食におけるコロナ観測」 ↓ http://ads.nao.ac.jp/cgi-bin-jp/display/rep/vol1/029/0001
ガタピシさん
アナログコンピューターは、デジタル式と違ってほぼ瞬時に処理が出来るので、一昔前のミサイルや戦車等の火器管制装置や射撃装置にはよく使われていました。
合成開口レーダーのディジタル画像処理などは、今でも大変でリアルタイム性に欠ける面がありますが、昔の光学処理を使った同様なシステムなどでは、ほぼ瞬時に処理していたと思います。 ディジタルで処理すれば結構大変なフーリエ変換なども光学レンズやフィルター等を使って簡単に瞬時に行っていたと思います。 フィルムカメラでの撮影と似たようなものです。
投稿: MARK12 | 2011年2月 8日 (火) 21時25分
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久野 幹雄: ニコン―レンジファインダーニコンのすべて (★★★★★)
青山 祐介: 究極のニコンカメラ (★★★★★)
佐藤 治夫 /大下 孝一 : ニッコール千夜一夜物語―レンズ設計者の哲学と美学ニッコールクラブ会報に連載されていた記事に加筆して1冊にまとめたものです。 ニコンサイトでも閲覧可能 (★★★★★)
豊田 堅二著: ニコンファミリーの従姉妹たちニッコールクラブ会報に連載されていた記事に加筆して1冊にまとめたものです。 ニコンサイトでも閲覧可能 (★★★★★)
落合 泰之著: ニコンカメラレンジファインダーニコンを紹介。コレクターの方必携です。 (★★★★★)
コメント
いまでは余りインパクトを感じませんが、あの時代に戻ってみると、実に画期的なことだったと思います。
マイコンで一括制御できたことは当時の技術の最先端で、マンコンに使われていた集積回路がICでアナログ制御ですが、この後、現在に続く観測機器の基礎となっているものと思って間違いないでしょう。
投稿: ガタピシ | 2011年2月 6日 (日) 19時35分
Nikon F3の絞優先AEでの露出制御はアナログでしたが、マニュアルでのシャッター速度制御はディジタル制御でした。
従って、それなりの改造を行えば外部信号によるシャッター速度制御も可能となるわけですね。
1980年代の初期には、8ビットのマイコン(CPU)(1974年発表のインテル8080等)はパーソナルコンピューター(PC)等で普及を始め、16ビットのマイコン(1978年発表のインテル8086等)も使われ始めていました。
これらのCPUを内蔵した産業機器も少なからず出回っていたと思います。
F3には水晶発振器やLSI等のICは使用されていますが、CPUは内蔵されていませんね。今回の記事の皆既日食観測用のシーロスタットに使用されたF3の改造内容がどうだったのかは興味があるところです。
マイコン側の入出力信号のデータバスは、8ビットだったのか16ビットだったのかは分かりませんが、改造F3には信号変換してそれぞれに渡していたのではないかと思います。
F3本体だけでなくモータードライブのMD-4側も改造していたんでしょうかね。MD-4のグリップ内にある基板の回路はアナログ主体だとは思いますが、本体内部の上面にあるフレキシブル基板にはフラットパッケージのICが載っていました。
それと記事のシーロスタット+撮影装置概念図に示されている天体望遠鏡から撮影カメラへの光路分岐の各ビームスプリッター(ハーフミラー)は、配置が直列になっていますね。
ビームスプリッターの透過率と反射率の比が仮に3枚共に同じなら、各カメラへの光量がだいぶ違ってきます。
概念図では、カメラの前に置かれた干渉フィルター群が同軸で回転するように描かれていますので何か工夫があるのでしょうね。
動くものとタイミング的に同期させて撮影させるためにもマイコンによる一括制御が必要だったのでしょう。
投稿: MARK12 | 2011年2月 7日 (月) 20時53分
この時の観測は
国立天文台報VOI.1[「1983年インドネシア日食におけるコロナ観測」にF3の改造内容等を含め詳細が記載されています、国立天文台のページから簡単に辿れます。
マイコン、カメラ、天文のマニアには垂涎モノ?
投稿: tune | 2011年2月 8日 (火) 07時01分
MARK12さんの記事からしても、ニコンのフラッグシップ機のF3がメカニカルシャッターから、電子制御にしたのはやはり現在に続く、遠隔一括制御にコンピューターを利用する時代が来ることを読んでの開発だったのが分かります。
1980年代にはデジタル制御によるコンピューターが出ていたのを忘れていました。
10式への置き換えが決まった74式のコンピューター制御の射撃管制装置がアナログ式だったので、そちらの方に思考が引っ張られました。
この頃、第一線部隊に配備が始まった第3世代の戦車の射撃管制装置が同じコンピューターでも、デジタル式になったので、74式戦車のアナロク゜式は古いとゆう記事を思い出しました。
投稿: ガタピシ | 2011年2月 8日 (火) 13時17分
tuneさん
下記の資料のご紹介ありがとうございます。
21ページの論文で改造F3についても詳細な記述がありますね。ゆっくり読ませていただきます。
他の興味ある方のためにもURLを貼っておきます。
国立天文台報 VOI.1「1983年インドネシア日食におけるコロナ観測」
↓
http://ads.nao.ac.jp/cgi-bin-jp/display/rep/vol1/029/0001
ガタピシさん
アナログコンピューターは、デジタル式と違ってほぼ瞬時に処理が出来るので、一昔前のミサイルや戦車等の火器管制装置や射撃装置にはよく使われていました。
合成開口レーダーのディジタル画像処理などは、今でも大変でリアルタイム性に欠ける面がありますが、昔の光学処理を使った同様なシステムなどでは、ほぼ瞬時に処理していたと思います。
ディジタルで処理すれば結構大変なフーリエ変換なども光学レンズやフィルター等を使って簡単に瞬時に行っていたと思います。
フィルムカメラでの撮影と似たようなものです。
投稿: MARK12 | 2011年2月 8日 (火) 21時25分