自動絞り付きオートトプコール
この宣伝広告を見ますと、トプコンRがクイックリターンミラー、正立正像のペンタプリズム、ファインダースクリーンに組み込まれたスプリットプリズム式距離計を備えたカメラである事が分かりますが、それと更に広告上部にある自動絞りが刷り込まれ、自動絞り付きであるように思えてしまいます。
実は、この自動絞りは初めに自動絞りチャージレバーを引いておかなければならず、半自動絞りと言える物でした。
このプリセットチャージが不要なカメラの登場は同年発売のズノー ペンタフレックスからとなります。トプコンRシリーズでの完全自動絞りはこのモデルの改良型であるトプコンR2からで、1960年発売でした。
また、シャッターも同軸上に高速シャッターと低速シャッターを備えた回転式のニコンS2同様のシャッターでした。
これも一軸不回転式となるのはズノー ペンタフレックスからでした。
しかし、完成度は高く、確か広告内にある「上下像合致式プリズム距離計」は近年では「スプリットイメージ式距離計といわれ広く定着していた方式です、これを最初に採用した国産一眼レフでしたし、レンズ性能も申し分なく、今でもこれらトプコールレンズを愛用してい方は多いと聞いています。
下は写真工業掲載の解説などです。参考にしてください。
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コメント
トプコンのレンズは性能的には定評があり、そろえて使ってみたいとゆう願望はあるのですが、やはりニコンのトラブルの少なさから、ニッコールを手に入れてしまいます。
カメラ構造にも画期的なものがあり、ニコンがTTLの独特のガチャガチャ儀式が必要でなくなったAi方式を採用して販売した時期はトプコンのTTLのパテントが切れた時だとも聞いたことがあります。
現在トプコンは東芝の傘下の企業となり、事業用の計測機器の製造のみしか行っていないのはさびしいものがあります。
投稿: ガタピシ | 2010年7月28日 (水) 13時11分
東京光学機械株式会社(1989年4月に社名を株式会社トプコンに変更)は、1932(昭和7)年9月に精工舎(服部時計店精工舎)の測量機部門を母体として設立されたものですが、東芝の関連会社になったのは、1960年3月のことで、50年以上前の昔の話ですね。
(現状では、発行済み株式の約36%を東芝が保有)
現在のトプコンの主要事業は、測量分野、眼科向けの診断・検査・治療機器などの医療分野、半導体関連装置、光学製品などの産業向けの精密電子光学分野の3分野ですね。
さて、TTL開放測光方式の特許として知られているトプコンの「撮影レンズの透過光を測定する方式の露光計を組み込んだ自動プリセット絞式一眼レフレックスカメラ」の特許は、1960(昭和35)年12月2日の出願ですから、出願から20年後の1980年末頃まで有効だったはずです。
トプコンが一般向けのカメラ市場から撤退したのは1981年のことですが、丁度この頃から上記に関する各社からの特許料が入らなくなった時期と一致すると思います。
このことが何かしらカメラ撤退に影響していたのかもしれません。
ミノルタやキヤノンなどは、TTL開放測光のカメラを発売するにあたり、トプコンと特許使用のライセンス契約を結んで、特許使用料をトプコンに支払っていました。
ニコンがAi方式のカメラを発売したのは、1970年代の後半からですが、このトプコンの特許とニコンが保有する数件の特許でクロスライセンスの契約を結んだとされています(互いに特許料の支払い無し)。
GNトプコールとしても知られるRE-Auto Topcor 50mmF1.4 GNと同50mmF1.8 GNのフラッシュ・マチック機構を取り入れた2本のレンズは、上記のクロスライセンスを生かしたトプコン側の成果ではないかと思います。
投稿: MARK12 | 2010年7月30日 (金) 13時24分