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画像で見るニコンF2初期型の特徴

随分前に初期型ニコンF2の特徴などを紹介しましたが、その特徴を一部ですが、画像で紹介したいと思います。
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最上段はアイレットの違いで、右が初期型、これは穴にステンレスのブッシュが入っておらず、形状も僅かですが小さいです。初期ロットのみで、710万代の前半には切り替わったようです。

2段目はダイキャストの違いで、フィルムレールの端部に違いが見られます、また、パトローネ室なども僅かに違いが見られます。(右が初期~前期型です)変更時期は720万台半ばくらいからのようです。

3段目は電池室の接点の違いで、右が初期型です。こちらには電池側面接触用の接点金具がありません。
底板の留めネジも初期型は-ネジが使われています。こちらも変更時期は720万台半ばくらいからのようです。

4段目はエプロン留めネジの違い、ファインダーの裾ゴムタイプとモルトタイプの違いを外観で比較したものです。
いずれも右が初期型で、-ネジやファインダーも裾ゴムでは無くモルトが使われています。
このように、外観上分かる部分のネジ類は初期ではほぼ-ネジが使われています。
また、画像では分からないのですが、初期型はミラーアップレバーをそのまま倒すとミラーアップしますが、前期型以降はレバーを少し押し込みながら回さないとミラーアップしません。変更時期は昭和47年半ばくらいからです。

5段目は裏蓋のメモホルダーの違いと疑革の違いの比較です。右が初期型で、疑革はニコンFと同じタイプの物となっており、メモホルダーの板はブラックの無地ですが、前期~中期位(720万代前半以降)から疑革はシボが少し粗いタイプへと変わり、メモホルダーの板も縦にスジが入った物へと替わりました。
裏蓋の圧板に変更が見られるのはもう少し後になります。

6段目は裏蓋のヒンジ受け金具の留めネジの違いで、右の初期型は-ネジが使われ、スプールも6本の差し込み溝が入っています。一方前期型では+ネジとなり、こちらへの変更は結構早く、714万代辺りから切り替わっていきました。また、画像では3本タイプではありませんが、スプール溝は6本から3本へと替わりました、こちらは720万代後半、730万代に近いあたりからと思われます。

7段目右画像は電池蓋の違いで、初期ロットは右のように+の刻印が細く、バヨネットの切り欠き溝が太めとなっています。左画像はマウントネジの違いです、+ネジへの切り替わり時期ですが、おおよそ昭和48年初めくらいからで、番号で言うと720万代半ばくらいのようです。。

繁雑になってしまいますので、外観で比較し易い部分のみ紹介しましたが、この他にも内部のネジやミラーボックス内をはじめ一部の部品も違いが見られます。

ニコンF2の初期型はニコンFやSPと比べ探しやすく、710万代の物でもそれほど苦労せずに見つけられると思います、興味のある方は探してみてはいかがでしょう?

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NikonF2」カテゴリの記事

コメント

ニコンF2の710万代は4年前の交通事故の慰謝料で手に入れた2台のF2の片方がこれでした。

おもしろいことにこの時、手に入れたもう1台のF2はブラックボディーの最終シリアルナンバーの796万代に限りなく近いシリアルナンダーの795万代でした。

さらにおもしろいのは、714万代のF2にはDP-11が付いていて、795万代はDP-1が付いていました。
期せずして新旧の比較が出来てしまいました。

ここのHPは私のニコンの資料調べにかなり利用させていただいています。
最近ではAiニッコール35ミリF2.8をヤクオフやウィドーショッピングを通じて資料の実証を楽しんでいます。

最近は旧型を急速に見なくなり、代わりに新型がかなり出てくるようになりました。
今のところ新型の最弱番は36万代を確認していますので、新型は350001からなのではないか思っています。後期の番号帯は40万代を確認しています。

最近は旧型を見ないため、旧型の確認ができないのが残念です。
私の持っている旧型は869163なので、旧型ではかなり後期のものだと思われます。

手持ちのデーターから推論すると、Ai35ミリF2.8の新旧交代は昭和53(1978)年に行われたのではないかとみています。

これからもニコンを楽しむデーターを楽しみにしています。

投稿: ガタピシ | 2010年6月26日 (土) 11時36分

私が持っているシリアル番号が一番小さい71154XXのF2の白ボディで確認してみましたが、最上段のアイレットの形状と材質が初期型ではなく、その後のタイプになっているだけで、後は全て初期型の特徴と一致しました(711番台ならこれでよいのでしょうね)。
初期型の小さめのアイレットの材質はステンレス鋼の削りだしでしたっけね。

この711番台のF2を入手してから初期型のDE-1アイレベルファインダー白を探しましたが、初期型が直ぐには見つからなかったので、F2用の皮革を貼った前期型で妥協しました。
いずれFの皮革貼りの初期型を入手したいと思っています(張替え用のF皮革の入手でもよいのですが)。
アイレベルファインダー単体の方がボディ単体よりも高価だったのはもちろんです。
外観もプリズムも綺麗なアイレベルファインダーは、白でも値段が高くてなかなか手が出せません。黒のDE-1美品なんかだと恐ろしいような値段ですね。

今回の記事で、ふと気付いたのは電池蓋の着脱には注意が必要だと云うことです。
何台もF2を持っている場合は、電池蓋の初期型とそれ以後のタイプとをごちゃ混ぜにして取り付けないようにしないといけませんね。
裏蓋も交換式なので、取り外した場合は同様に注意が必要でしょうね。

F2はたくさん持っているので、もう買うのは止めようと思っているのですが、最初期型に近い710番台なんかが手ごろな価格で出ていたりしたらよろめきそうです。

投稿: MARK12 | 2010年6月27日 (日) 00時05分

画像の初期型は3年程前にeBayで手に入れました。番号は71005**です。ステンレスアイレットは、多分初期ロットかその次くらいまでの物に使われていると思われますが、ダミーモデルでは7103***程度でも2回ほど使われているのを見ました、ダミーモデルは検査を撥ねられた物(ダイカストなど部品段階?)から作られているそうですから、もしかしたら、通常モデルもそのくらいの番号でも見つかる可能性はありそうです。

投稿: MARU0 | 2010年6月27日 (日) 05時45分

F2の初期モデルの7108~のものを見つけましたが、アイトレットはすでに初期型のものではありませんでした。

アイトレットは710万代の前半で切り替わったのは確かのようですね。

手に入れたいとは思うのですが、先日ニコンFの645万代のものを手に入れたばかりなので、あきらめています。

ジャンクコーナーで見つけたAi35~70ミリF3.5Sの様に1000円以下ならば、すぐ手が出せるのにと思うのですが。

昨日、中学の同窓会があったので、試し撮りをしたのですが、思ってもみなかった女子に高級ズームであることを一目で分かられたのにはビックリしました。


投稿: ガタピシ | 2010年6月27日 (日) 14時32分

MARK12さん、

初版カタログの仕様表にはアイレット(吊り金具)は「ステンレス製」と書かれております、製造方法は削り出しなのかは分かりません。
ただ、堅いステンレスをプレスで打ち抜き、穴あけとネジ切り加工しても切削の工程は入る訳ですから、コストは掛っていたでしょうね。
その為、加工のし易い素材に切り替え、堅いステンレスのブッシュを嵌合した物へと初回注文分が無くなり次第、変更したのではないかと考えています。
次の版では「ステンレス製ブッシュ入り」と早々に変更されています。

ガタピシさん、

645万代のFなら、オーバーホールなどで部品の変更がなければ、巻き上げレバーやセルフタイマー、裏蓋内側の刻印など、各所初期の特徴はいろいろと備えていることと思います。

工業製品的には成熟期の製品の方が機械として安定(安心)度が高いのでしょうが、ニコンカメラの初期型ってなぜか魅力があるように思います。

投稿: MARU0 | 2010年6月28日 (月) 14時12分

MARUOさん、ちょっと間違いがありました。
645万代ではなく、646万代でした。

ファインダーは後期のもので、実用に差し支えない程度の難はありますが、ボディーは外見だけでも初期の特徴を残しています。

Fはもう1台644万代のものも持っていますが、これは個人の写真館のオーナーがワンオーナーで使ったものらしく、マイナスネジと裏蓋がこの番号帯の特徴を残しているだけで、FTNファインダーが付くのではないかと思われるほど改造されています。

写真館で使われたものなので、丁寧に使い込まれたものすごい外見ですが、調子はものすごく良いです。

私はニコンS2で写真を始めたので、機械的には安定している後期のものよりも、富士山マークと呼ばれているあの刻印を見ているととても気持ちが落ち着くので好きです。
ニコンS2は後期型でした。

Fを手に入れる前にニコンSシリーズのレンズなど、アマチュアのレベルとしてはそろえたので割と持っている方だと思います。

私には初期のニコンはいまでもとても魅力的に思えますし、とても魅力的です。

投稿: ガタピシ | 2010年6月28日 (月) 15時12分

MARU0さん

カメラ用のアイレットの様な立体的な小物部品はどのように素材から完成品まで加工していたかですね。
例えば、黄銅厚板のプレス打ち抜きから始めていたのか、黄銅丸棒から切削加工していたのかなどですね(1971年当時の標準的な加工法はどうだったかという面もあります)。
真鍮製とステンレス製のアイレットでは加工法も違っていたのかもしれません。

それほど数が出ないせいか、現代ではライカのM6以降のモデルではステンレス製のアイレットを標準的に採用していますね。
又、ニコンS3やSPの限定版(復刻版)のアイレットもステンレス鋼の無垢材を加工しています。
最近の金属加工法では、加工マシンが良くなっていることもあり、品質やコストの面からも以前よりも切削加工が増えています。
(ダイキャスト製品を切削加工製品に置き換える例も増えています)
現代ならステンレス丸棒から直接に切削加工主体でアイレットを作ってしまいそうな気がします。

ただ、大量生産には従来通りの真鍮製にニッケル・クロームの厚めっきを施して、耐磨耗のためのステンレスブッシュを挿入したアイレットが適しているのか、今のところ切り替える気配はないようですね。
(もっともデジイチの実用寿命を考えれば、ステンレス製アイレットにする意味は少ないのかもしれません)

投稿: MARK12 | 2010年6月28日 (月) 19時57分

はじめまして。
F2の71039**番を使っていますが、アイレットはすでに初期型のものではありませんでした。
ご参考にでもなれば……

投稿: ペリカン | 2010年6月29日 (火) 03時26分

サービスセンターの人だった人の言葉によれば巻き戻しボタンを見るのが一番確実だそうです(前期型は無垢。後期型は二重)。内部機構を刷新した時期があるそうで、そのときに変わったそうです。私のは770番台の黒のASなんですが、巻き戻しボタンも二重だし、すべて後期型の特徴だとおもっていたんですが、裏蓋のフィルム押えの板バネに切り欠きがないとか古い特徴も少し残ってました。
なんか再後期型ではクランクの回転方向を示す矢印がないとか。本当ですかね。

投稿: T.Y | 2013年3月13日 (水) 22時45分

T.Yさん

F2の巻戻しボタンの形状ですが、おっしゃるように後期型のものは外筒付きの二重のものになりますね。製造番号帯で言うと黒ボディでは77番台以降、白ボディでは78番台以降になるようです。F2を前期と後期と大きくふたつに分ければ後期型のみの特徴と言えるでしょう。
F2を最初期型、初期型、中期型、後期型、最後期型と更に細かく分けるとすれば、75番台(黒)、76番台(白)の中期のものまでの巻戻しボタンは光沢メッキ面を持つ一体型になりますね。

次に裏蓋内のフィルム押えの板バネ下段の切り欠きの件ですが、この切り欠きがあるのは、79番台(黒ボディ)と80番台(白ボディ)の最後期のF2用だったように記憶しています。
自由に付け替えが出来る裏蓋ですから新品で購入した個体でないと変わっているかもしれませんが。

三つ目の巻戻しノブの下にあるシュー台座の上面に接着で貼られている上面が黒色メッキされたアルミ合金製のプレート(化粧板)の件ですが、このプレートにあるノブの回転方向を示す矢印は製品として出荷されたF2には全て入っているはずです。
矢印が入っていない黒色アルミ板は、正規部品が枯渇した後に作られた補修用の代用品で、ニコンS.C.などに修理やオーバーホールに出して巻上げ側の上カバーを外した際に元のプレートが再使用に適さなかった場合などに使用されたものと思って間違いないと思います。(ちなみにFの黒色アルミ板は、2本のネジ止めなので接着されていません)
シュー台座の上面に最初から黒色アルミ板でなくボディなどと同様の黒色レザーが貼られたものは希少なF2チタン白(チタン色)の出荷品の一部に存在しますが、その場合は巻戻しノブ上面には、Fのものと同様の矢印が刻まれています。

投稿: MARK12 | 2013年3月15日 (金) 17時21分

以前からF2のボディに関しての初期、前期、中期、後期の違いを整理していただけたらと思っております。
機会がありましたらよろしくお願い致します。

投稿: 近鉄バファローズ | 2015年7月31日 (金) 11時49分

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