ニコンF3 ピンホールミラー
ニコンF3のTTL測光はエフ一桁機としては初めてのボディ内測光で、各種ファインダーを交換してもTTL測光が使えるようになりました。
この中央部重点ボディ測光はレンズから入射した8%程の光の一部がメインミラーを透過し、サブミラーによってボディ下部に設けられたSPD受光素子へ導かれるようになっています。
このメインミラーの8%の透過をする為に新たに開発されたのがピンホールミラーで、下のように縦0.03mm×横0.02mmの縦長のだ円形を約5万個ランダム?に配し、素通し状になっているとの事です。
このピンホールミラーの利点は、色つきがなく、偏光フィルターを使用しても測光誤差が出ない事で、更にファインダースクリーンを換えてもスクリーンの明るさの影響も受けませんね。個人的にはF3後期のスクリーンが気にいっていますので、あまり意味は無いのですが、F4のような更に明るいスクリーンやFのやや暗いスクリーンと入れ替えても露出補正の必要はありません。
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コメント
普通だったらメインミラーにハーフミラーを組み込んだボディ測光で済ましてしまうところを数万個の素通しのピンホールを散りばめたミラーを使うなんてF3発表当時は信じられない思いで驚いたものです。
さすがにその後は同じ手法を使うものは出ていないようですね。
F3が測光において入射する光線の偏光状態の影響をほとんど受けないと言うことで、従来の比較的安価な直線偏光用の偏光フィルターを使えるという恩恵は受けました。
入射する光には、反射光として右回りや左回りの楕円偏光(円偏光を含む)、垂直や水平の直線偏光などが混ざっていますが、ハーフミラー使用の場合は、測光誤差を少なくするために円偏光フィルター使用が前提になっていますね。
(実際の撮影時にはミラーが上がっていて入射光はハーフミラーを通過したりしないのでフィルム面等に偏光の問題は出ない)
F3ではサブミラーの補正反射面と底面受光部前の非球面レンズの集光で、ほぼ円形の測光パターンの部分測光に近い中央部重点測光になっていたと思いますが、マニュアル測光する場合は、部分測光はありがたいものでした。F3をAE露出で使うことはほとんどありませんでしたので、CanonのF-1シリーズの部分測光並にもっと重点度を上げて欲しいくらいでした。
マニュアル測光時の露出表示の+-のみの表示も基準露出値をシビアに知るのに有用でした。
昔は24色別明度補正表を使ってTTL測光値の色による補正をして撮影していましたが、段々面倒になって標準反射率に近いものを探して代替測光する方法を多用するようになって今に続いています。
(F5等のRGB測光もほとんど使っていないというかAE撮影自体が少ないです)
投稿: MARK12 | 2010年5月27日 (木) 20時17分