その確かな映像を―ニコンF2
| 固定リンク
| コメント (1)
| トラックバック (0)
写真工業1954年1月号にあったドイツでのライカIIIfなどの価格を紹介した表です。
昭和29年1月号ですから、表内の価格は昭和28年頃のものと思われます。
また、この当時は1ドルは360円の固定相場でしたので、ドイツ本国とアメリカでの販売価格との差も知ることができます。
例えば、当時出たばかりのズミクロンを付けたライカIIIfは本国では914マルク、日本円にして78600円ですが、米国では日本同様に関税の関係もあるのでしょう、138312円と6万円近く高価でした。
因みに日本国内価格は日本フォートサービスが出していたカタログ(昭和29年6月発行)によりますと、IIIf ズマリット、ケース付きで200000円、ズミクロン、ケース付きが185000円、コンタックスIIaゾナーF1.5、ケース付きが202800円、ゾナーF2、ケース付きで187800円、IIIaゾナーF1.5、ケース付き223700円、ローライフレックス2.8Cクセノター、ケース付きが185000円、ローライコードIII クスナー、ケース付き90000円でした。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
下はニコン物語に掲載されていた昭和29年に実用新案で出願されたトリガー式の巻き上げ装置の出願図です。
これは当時使われだしていた報道関係者や海外のカメラマンからの要望を受け開発が進められたようです。
(この当時はほとんどのカメラがノブ式の巻き上げを採用していました。)
この装置は、『本実用新案は白昼撮影中でもカメラに対する取り付け取り外しが漏光の心配がなく簡単に出来る高速連続用撮影のフィルム早捲取装置』と出願明細書に記載され、従来のトリガー式(ライツ社製?)の欠点を改良したものでした。
しかし、これは結果的には製品化されませんでした。この年のフォトキナで発表されたライカM3のレバー巻き上げを受け、開発最終段階だったS2もレバー式を採用し、トリガー式の優位性が薄れた事が理由だったようです。また、同時期に開発が進んでいたモーターワインダーがS2型に採用されたのは先日S2Eの記事を紹介しましたので、皆さんご存じの事と思います。
| 固定リンク
| コメント (3)
| トラックバック (0)
ニコンEL2新発売時カタログの見開き部分です。
「ニコン」の自動露出一眼レフとニコンにかぎかっこを付けそれまでニコマート銘だったELが、単に銘だけでなく名実共にやっとニコンになれたような感じをうけました。
と言いますのは、ニコマートELは登場時からカメラの造りはもとより、価格、カタログのグレードもニコンF2に引けをとらない扱いだったと個人的には思っていました。
しかし、EL発売時はまだ、「ニコン」は伝統的?にプロユースのS系やF系高級機に付けられ、アマチュア向け大衆機はニコレックス、ニコマート銘が付けられていた事や、いわゆる電子カメラの信頼性がプロにはまだそれほど高くはなかったのが背景があるのだと思っています。
それが、Ai化されたEL2でやっと「ニコン」銘を付けられ、それまでの準ニコンから昇格したという印象でした。
とはいえ、実はニコンF一桁機やS系以外での「ニコン」銘に少し違和感を覚えたのも事実ですが、それはそのあとのコンパクトなFM系やEMなど全てに「ニコン」銘を付けて登場した事で、その違和感も徐々に薄れては行きました。
| 固定リンク
| コメント (2)
| トラックバック (0)
カタログの表紙や見開きに使われそうな落ち着いた印象のものに仕上がっていると思います。
この頃はちょうどコンパクトニコンとかシンプルニコンなど各カメラに愛称を付けての宣伝をしており、このF2は上のような文言が使われていました。
このコピー(Ai化以後)の広告の中では最も好きな広告の1つです。
他にも私は、F2の広告のデザイン、雰囲気は全般に好きな物が多いのですが、特に好きな広告は、以前に紹介しましたF2登場間もないころの「ニコンシステムの使い方」裏表紙のものです。
| 固定リンク
| コメント (3)
| トラックバック (0)
当時ニコンを名に付けられなかった普及機カメラ、ニコレックス35ではありますが、販売にあたり亀倉雄策氏の手になるポスターが制作されておりました。この昭和30年代はこういったポスター、広告、パッケージや説明書などを亀倉氏が手広く制作しており、下のニコンFのポスターや以前紹介しましたSPのポスターは割合広く知られている1つではないでしょうか。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
先日少し記しましたニコンテキストブック巻末のニコンカメラデータなど紹介ページの一部です。
これを見ますと、発売年月、ボディ番号、発売時の定価などが載っています。ただし、一部おかしな部分もあるようで、研修用テキストブックとはいえ、必ずしも正確な情報ばかりとは言えないようです。
例えば、ボディ番号はS2の場合613万代半ばからと言われていますし、M型の価格も昭和25年の価格を見ますと食い違いが見られます。実はここには紹介しておりませんが、次頁以降にもボディ番号のおかしな部分などが散見できました。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
下の画像はカメラレビューNo.16号「幻のカメラを追って」で紹介されているルックの姿図です。
このカメラは昭和24年11月に発売された35ミリフィルムを使用するレンズ交換式ビハインドシャッター採用の距離計連動式カメラで、ニコンI型発売1年余はど後とはいえ、各所にユニークな機構を持つカメラでした。
発売元はLOOK CAMERA CORPORATIONで、制作者は茶谷薫重氏、定価9500円、大きさはライカIIIGに近く、重さは60g重いとの事でした。
ユニークな機構の1つに、まず、外観前部に見えるギヤを介して内部の距離計ミラーを動かす仕組みで、コストダウンの効果がありうまい方法だと紹介されています。
当時珍しかった、ビハインドシャッターによるレンズ交換式ですし、国内初のダブルマガジン方式採用でいつでもフィルムを取り出せるようになっており、その際フィルムを切断出来るようにナイフが内蔵されていたそうです。
他にもホットシュー付きのアクセサリーシューを備えていたり、裏ブタの中央部をコインなどで開けるピント覗き穴が設けられていて、ここにルーペを付けて精密にピントを合わせる事が出来、接写や複写などの近接撮影にも便利なようになっていました。
幻のカメラと言われる所以は製造数が1000台に満たないほど少ないためで、結局交換レンズも発売されてはいなかったそうです。
あまりニコンカメラとは関係ない話題になってしまいましたが、実は少しばかり関係があり、このカメラのシャッターは川手賢一氏のパテントで作られていたそうで、この方はBCガンの特許、ニコンストロボの制作者との事です。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
写真工業48号(臨時増刊世界のカメラ)に国産レンズの現状という記事が掲載されておりました。
その中にはニッコール50mmF1.4やズノー50mmF1.1新型、ヘキサノン60mmF1.2、キヤノン50mmF1.5など当時各社の代表的標準レンズがいくつかが簡単に紹介されていました。
特に、ズノー50mmF1.1は簡易な解像力曲線も紹介されていましたし、キヤノンの50mmF1.5も解像力及び口径食を現した一覧表が紹介されているなど、個人的には興味深い内容でした。
また、最後のほうには高屈折の新種ガラスに少しふれています、これに黄色みを帯びている物が有ると書かれていますので、少々短絡的ですが、私はトリウムを含んだいわゆる放射能レンズを連想してしまいました。
| 固定リンク
| コメント (1)
| トラックバック (0)
三木氏とダンカン氏とはいわゆるニコン神話の1つにあげられるようにライフ誌のカメラマン時代から友人関係で知られています。
それを象徴する事例として、約30年ほど前にダンカン氏から三木氏へライツ社がダンカン氏の為に作った4台の特製ライカM3Dのうちの1台を贈呈したそうです。これにはセットのレンズとして精研削非球面レンズを採用したノクチルックス50mmF1.2が付けられていたとのことです。
因みに、このM3Dが元になってMPが作られたと言われています。
このあたりの経緯はカメラレビューNo.16のピントグラスに載っていますので興味のある方は読んでみてください。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
当時、50~100m防水を謳ったダイバータイプの腕時計の宣伝をよく目にしていた時でもあり、このカメラもそう言った類のものといった認識しかなかったのですが、カメラは腕時計よりボディが大きく水圧による歪やダイキャストのすにまで水が浸透してくる事をニコノスのカタログで知ったものでした。
関連記事索引
ニコノスのレンズは目測目盛? 10/01/09
ニコノス ホット・エピソード 09/11/06
ニコノスIV-A 使い方 (使用説明書) 09/07/05
白い偽革のニコノス 09/04/09
この一眼レフは、水の世界を愛する者にふさわしい。 ニコノスRS 09/04/08
ニコノス2 機能と操作(使い方) 09/03/17
カラーで見るニコンの内部 ニコンFM 09/03/16
日本光学の参考資料 09/03/06
ニコノスIII型使用説明書変更点 09/02/11
ニコノス3 機能と操作(使い方) 09/02/09
スピードライトの発売年 09/01/30
ニコノス15mmファインダーDF-11 09/01/28
パーフォレーションの無いフィルムが使えるニコノス 08/12/17
ニコンのブランド化 08/12/14
ニコノスII型のアクセサリー 08/10/08
ニコンカメラ発売時期データ 08/09/16
ニコノスアンケート 08/09/09
映像の歴史を創るニコン 08/08/30
修理可能なニコンカメラ 08/06/28
ニコノスIV-AのTTL 08/06/06
ブラックボディ 08/05/19
SR-44とLR-44、CR-1/3N電池対応カメラ 08/05/15
70年代後半のスピードライトシステム 08/04/26
ニコノスIV-A 08/04/12
ニコノスRSと外国為替及び外国貿易管理法 08/03/01
1984年の販売機種 07/10/28
初代ニコノス 07/10/05
ニコノスIII 07/08/29
水中ハウジング 07/08/16
レンズ リアキャップ 07/07/18
ニコノスのレンズ 07/06/29
「陸上、水際に徹した防滴タイプレンズ」 ニコノス用LW28mm 07/05/18
ニコノスシリーズ 製造台数 07/04/15
ニコンマリン 水中撮影装置 07/03/20
ニコン ピカイチカリブ (L35AWAD) 07/02/03
ニコノスII 06/11/29
ニコノス(初代)の使い方 06/10/23
ニコノスRS 06/10/1
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (1)
以前にニコマートF系カタログの表紙を紹介しましたが、その時に同日付けのカタログが2種あることにふれました。
これはその2種の表紙をめくった見開きページ部分の比較です。これらは、どちらも「昭和48年7月現在の価格」と表示された同時期のカタログです
上の方は表紙とも16頁の物で、各部名称や機能の紹介、レンズの紹介ほかシステム一覧などが載っています。下のものは、1枚もの2つ折り4頁で、その見開き部分です、その裏表紙は仕様表となっているだけの非常にシンプルなものでした。
色合いが多少違いますが、その他にも文言が微妙に違っていて、簡易なリーフレットスタイルの方は文言までもシンプルにまとめてあります。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
ずいぶん前ですが、ニコンF系カメラ関係の1977年頃のケース一覧表を紹介しました。
上の表は配置は変わっていますが、基本的にはそれと同じもので、以前はモノクロでしたのがこちらは多色刷りで区別が容易ですので、再掲させていただきました。また、それら型番のカメラケース画像を下に載せますので参考にしてください。
何れもアクセサリーセールスマニュアル(英語版)より
| 固定リンク
| コメント (3)
| トラックバック (0)
写真工業48号臨時増刊「世界のカメラ」に掲載されていたニコンS2の広告です。
ニコンS2が出ておよそ1年半後の広告ですが、ニコンにとって初めてのレバー巻き上げの耐久性の高さを宣伝しています、また、この間に数万台のS2が使用されたような文言がみられます。しかし、「Nikon」カメラの生産実績
を見てみますと、この間にS2は2~3万台程度の生産数のようです。結構過大な数字ですが、この頃はおそらく戦中からの国威発揚や戦後復興での景気底上げなどでの過大な表現が容認される風潮が残っていたのかもしれません。
また、「米国向け輸出が5倍に増加!」とあります、この5倍がいつ頃のものを比較しているのか明示してないのがミソで、こちらはたぶん本当の数字なのでしょう。
| 固定リンク
| コメント (1)
| トラックバック (0)
最近はオートフォーカスでの使用がほとんどでしょうから、この言葉を意識するような事はあまり無いかと思います。
被写界深度の最遠点が無限遠にくるように焦点合わせをした時の被写体までの距離で、たとえば下の表のように、50mm標準レンズをF4まで絞り、20メートルの距離にある被写体にピントを合わせますと、その半分の10メートルから無限遠までピントが合っているように見えます。この時の被写体までの距離20メートルを過焦点距離と言います。
この表は70年代のマルチコートニッコールオートレンズの物ですが、このような表が無くとも、レンズの指標の横に並んでいる絞り値の数字の色と対応した指標線の一端を無限大マークに合わせ、中央の指標位置の距離環数字を読み取る事により大体の過焦点距離は分かります。
スナップ撮影などの時は、かつて、皆さんこのようなパンフォーカスでの使い方をされた経験もあるのではないでしょうか。
ただし、深度を表す線はすべての絞り値の分がある訳ではありませんので上のような表も有用ではないかと思います。
余談ですが、上の表の過焦点距離から焦点距離を逆算できますが、15mmなんて、16mm以上の焦点距離で、結構看板に偽り有りといえそうです。尤も、この表の数字も多少大雑把な印象ですから、誤差も大きいかとは思います。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
40年ほど前、日本光学眼鏡事業部は眼鏡店従事者に向けニコン眼鏡講習会を開くようになりました。
その為のテキストとして、眼鏡の光学に関するものとして「ニコン眼鏡読本 基礎編」を、また、目の生理に関するものとして表題の「目の話」が発行されました。
眼鏡読本は基礎編とはいうものの、内容的には光学の基礎的な知識から眼鏡加工に関するものまでかなりしっかり勉強できるもので、執筆者は、当時、光学設計技術顧問をされていた東秀夫氏でした。
ただし、40年以上前のものですから、近年の超高屈折プラスチックレンズなどは取り上げられておりません。
また、目の話はそれとは逆に、専門医学的な文言は使われず、かなり平易な内容で普通の方が目に関する知識を得るに最適な内容となっています。ただし、こちらも内容は40年前のものですから多少現在では違う解釈となっているものも含まれるかと思われます。
こちらは、当時、関東逓信病院副院長をされていた戸塚清氏が執筆されていました。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
以前にファインダー部分の構成図を紹介しましたのでご記憶の方も居られるかと思います。
今回はニコンSP修理指針にある構成図の1ページです。
ボディエプロン部を外した時の様子が良く分かります。
大まかな部品構成はこちらのニコンSPボディ構成図資料(Fig1~8)を参考にしてください。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
ニコノスの標準35mmレンズの距離目盛は陸上で実測した場合正しいピントを結ぶように数字が入っています。
水中では水の屈折率により、実測値よりおよそ3/4倍の距離に物が見えます。
これはレンズにも同様な事が言えますので、水中で実測した場合、陸上での目盛の3/4倍としなければなりません。
しかし、目測ですと仮に実測4mの距離の物も、3/4倍の3mに見えます。これをそのままレンズの距離目盛3mに合わせればレンズ側も実測値の3/4倍となっていますので、ピントは合っています、言い換えれば目測目盛とも言えるという事です。
これはカメラ販売業者などへの研修などに使われた?古いニコンテキストブック(昭和51年発行第2版)の94ページ「水中での距離合わせ」にあった表現で、ちょっと面白いと思い紹介させていただきました。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
先日ニコンE2Sを紹介しましたが今回はS2Eです。
ずいぶん前ですが、電気モーター付きニコンS2の記事の一部を紹介しました。
その冒頭部分が上の画像です。
これは5頁にわたり解説されており、その中に、連続撮影でストップウォッチを撮り、秒あたり3コマの撮影を実現していることを実証しています。
記事はこちら
PDFファイルはこちら
| 固定リンク
| コメント (1)
| トラックバック (0)
あるカメラの試作前のモックアップの画像です。
何というカメラか分かりますか?
THE CAMERA F3 TECHNICAL MANUALより
実はニコンF3のモックアップです。
以前にニコンF2改良のF3試作品や各機能組み込み試作品の画像などを紹介しましたが、今回の物もジウジアーロの手が入る前のデザインです。
これを見て気になったのは、モータードライブがニコンFG用のMD-14とよく似ている事と、プレヴュー?ボタンが飛び出ている事です。
各部操作とデザイン検討の段階の物だったのでしょうか、MDを付けての操作性を考慮してボタンを飛び出させたのかもしれません、また、Ai連動機構や絞り値直読の部分もまだ付いておりませんね。
| 固定リンク
| コメント (2)
| トラックバック (0)
下はニコンMカタログ(英語版)です。
The Nikon Camera in America, 1946-1953より
以前に紹介しましたニコンSカタログと表紙の画像は違いますが良く似ています。勿論こちらのM型の方が先にでておりますので、S型はこれを踏襲したものと言えます。
因みに、この中で唯一後のS型カタログでも使いまわされた画像があります。
それはイージーローディングの部分で、これを角度を変えて使っています。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
初春と言うことで、和風の話題を探しておりましたら、こんなカタログが出てきました。
口径15ミリ、倍率5倍のコンパクトなダハタイプ双眼鏡で、1996年9月14日より限定での新発売でした。
漆塗りを一部とはいえ採用した双眼鏡はそうそう無いと思います。
また、これとは別に、同時期にレギュラータイプも発売され、こちらも仕様は同じで価格は50000円でした。
因みに、この倍率と口径の双眼鏡は、ポロプリズムタイプでしたが、数十年前にミクロンとして出ておりました。
個人的にはミクロン6×15をチタンカバーとマグネシウム合金ボディとし、光学系は高品質な反射防止コートをすべての面に施したハイグレードタイプを出して欲しいところです。
| 固定リンク
| コメント (3)
| トラックバック (0)
最近のコメント