昭和31年 国産レンズの現状
写真工業48号(臨時増刊世界のカメラ)に国産レンズの現状という記事が掲載されておりました。
その中にはニッコール50mmF1.4やズノー50mmF1.1新型、ヘキサノン60mmF1.2、キヤノン50mmF1.5など当時各社の代表的標準レンズがいくつかが簡単に紹介されていました。
特に、ズノー50mmF1.1は簡易な解像力曲線も紹介されていましたし、キヤノンの50mmF1.5も解像力及び口径食を現した一覧表が紹介されているなど、個人的には興味深い内容でした。
また、最後のほうには高屈折の新種ガラスに少しふれています、これに黄色みを帯びている物が有ると書かれていますので、少々短絡的ですが、私はトリウムを含んだいわゆる放射能レンズを連想してしまいました。
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コメント
MARU0さん、みなさん、こんばんは。
光学ガラスには元来は着色成分は含まれていないのですが、意図せずに着色するのは鉄イオンなどの不純物による場合が多かったようです。
屈折率が低い、分散が小さいガラスは鉄イオンなどが多少含まれていても着色はほとんど起きませんが、屈折率の高い、分散が大きいガラスでは着色が起きやすかったようで、ガラスの原料成分への不純物混入を如何に小さく抑えるかが重要だったようです。
戦後にランタン、トリウム、タンタル等の希元素を含む高屈折率低分散の新種の光学ガラスが発展しましたが、放射線による自身の光学ガラスへの影響での着色(黄色等)はよく言われている現象ですね。元々黄緑色になりがちな光学ガラスが経年でさらに着色が進んだということでしょうね。
投稿: MARK12 | 2010年1月21日 (木) 00時14分