« ニッコールレンズ生い立ちの記 | トップページ | 1976年頃までのブロニカ »

起こりやすいカメラの故障 レンズ編

60年前のフォトアートに掲載されていたカメラの故障についての注意点などの記事で、この創刊号ではレンズを取り上げていました。
S(フォトアート創刊号より)

取り扱い自体は今も昔もそれほど変わるところは無いと思いますが、この頃はレンズ表面のコーティングもされてないか、あっても柔らかく、現在のレンズより取り扱いは更に丁寧に行わないといけませんでした。

関連記事:おこりやすいカメラの故障 シャッター編

|

« ニッコールレンズ生い立ちの記 | トップページ | 1976年頃までのブロニカ »

Nikkor Lens」カテゴリの記事

コメント

当時、不治の病だった肺結核で結核療養所に入院していた父は、将来を嘱望されていながらやはり肺結核で入院してきた若いプロカメラマンから写真をゼミ形式で教えてもらったことは以前、書きましたが、コーティングのされていないレンズの取り扱いはもっと慎重にしなくてはならなかったそうです。

正確にはホコリを払うきれいな筆先でも、レンズ表面を傷つけるものだったと聞いています。
コーティングがされるようになったおかげで、レンズの手入れがどれだけ楽になったことかと、父がよく話していました。

そのためコーティング技術が良くなり、フィルターは必要ないとゆわるようになった時代になってからも、レンズにはフィルターを付ける習慣がいまでもあります。

投稿: ガタピシ | 2009年10月 2日 (金) 09時43分

ガタピシさんへ

光学レンズへのコーティングは、第一義的に反射防止目的があるわけですが、その目的のための初期の単層コーティングレンズの中にはコーティング膜が剥がれやすいものも少なくなかったと思います。
単層コーティングレンズ時代の初期に表面保護目的のハードコーティングを第一面に施したレンズがあったのでしょうか?

近年のプラスチックレンズを使用したメガネ用レンズでは、確かに樹脂という柔らかい素材の表面保護(キズ防止)のためにハードコートが当たり前になっていますし、極最近のレンズの中には、光学性能の向上以外に、撥水/撥油効果やキズへの耐性などメンテナンス性の向上も図ったコーティングを併用しているものもあります。

又、多層膜のコーティングの時代になってから反射防止コーティングの多層膜の保護目的でハードコーティング膜を併用するものもありました。
ですが、単層膜時代のそれも初期の頃にフリントガラスやクラウンガラス等の光学ガラスの表面よりもキズに強い反射防止コーティング膜があったのでしょうか、そのあたりが私にはよく分からないのです。
コーティングが施されたレンズの方が、なしのレンズより埃が付着しにくく、清掃する頻度が少なくなったというのなら、まだ理解できるのですが。

ノンコーティングの光学レンズの素の表面なら、微細なキズは光学レンズ等の研磨用の酸化セリウム等で比較的簡単に研磨できると思いますが、コーティングがあると簡単にはいじれませんね。

投稿: MARK12 | 2009年10月 3日 (土) 22時57分

レンズにコーティングが出来るようになったのは、第二次大戦末期の光学機器の反射率を減らすために実用化された技術であることは、私の手持ちの資料に書かれています。

戦後、写真用のレンズにコーティングが転用されるようになった時、コーティングは本来レンズ面の反射率を減らすもの技術だったのですが、コーティングによってレンズ表面の強度が高くなり、手入れがしやすくなったと、私は聞いています。

父のアルバムに結核療養所にいた時の写真と、当時撮影した写真が残っています。

投稿: ガタピシ | 2009年10月 4日 (日) 17時26分

今回の「レンズ編」の記事にもあるように初期のコーティングレンズには拭けば剥がれやすいソフトコーティングのものもあったわけで、これに限らずコーティングレンズを拭く場合には、より慎重に行うように記述されていますね。
この考え方自体は、今日に続くまで概ね変わらないものと思います。

当時としてはハードコーティング的な反射防止コーティングの副次的な効果は、物理的な表面保護ではなく、化学的な表面保護ではないでしょうか(物理的表面強化は、これまで聞いたことがありません)。
フリントガラスやクラウンガラス、あるいは特殊ガラスで特性(耐湿性等)が違いますが、コーティングなしの光学ガラスで一番の問題点は、ヤケ(焼け)の発生でした。
よく研磨されたガラス表面は非常に水分を吸着し易く、光学ガラスが分子構造的に耐酸、耐アルカリ性等で弱い面があります。
長い間に浸食を受けた表面にはガラス成分が分解して薄い含水珪酸層等が生じ、この薄膜がガラス本体の屈折率と異なるためにコーティング的な作用をします。このような異常を「ヤケ」と呼び、青ヤケや白ヤケなどがあります。
(強度の表面浸食に至ると真珠様の光沢を発するようになり、光の透過率がかなり低下します)

つまり、当時の反射防止コーティングの副次的な効果は、化学的な表面保護の面が大きく、これがレンズ清掃が、より楽になったということではないでしょうか。
真空蒸着で用いる反射防止コーティング材としては、屈折率等の関係からフッ化マグネシウム(MgF2)や氷晶石(3NaF・AlF3)等が使われていたわけですが、このコーティング材の強度(硬度)が、果たしてどれほどあったかということですね。

投稿: MARK12 | 2009年10月 5日 (月) 01時14分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/185882/46350298

この記事へのトラックバック一覧です: 起こりやすいカメラの故障 レンズ編:

« ニッコールレンズ生い立ちの記 | トップページ | 1976年頃までのブロニカ »