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ライカM3、ニコンSPのライバルになれなかった ミノルタスカイ

ミノルタスカイの3面図です。
Minoitaskys(「ライカに追いつけ!」P.135より)
ミノルタスカイは一軸式不回転等間隔目盛りのフォーカルプレーンシャッターを採用した、ライカM3を意識して開発された35ミリ判距離計連動式カメラでしたが、「ライカに追いつけ!」によりますと、試作品完成を持って渡米した田嶋社長は帰国後開発中止を決定し、発売の日の目を見ることはありませんでした。
このカメラはニコンF2が採用したセルフタイマー利用の長時間露出を既に使っており、2秒から15秒までの長時間露光が可能でした。
また、シャッターダイヤル連動のライトバリューを使うことにより、単体露出計との使用を簡便にしたり、シャッター速度は高速から低速に至るまで連続無段階可変など、シャッター周りに関する特徴が特に目立つカメラだったように思います。


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コメント

1957年に試作されたミノルタ スカイは、更に上級機と量販機を発売する計画まであったようですが、結局発売中止となり、試作のみで終わったニコンSPⅡと同様に幻のRFカメラとして惜しまれますね。

まだ1台しかなかったスカイを携えて販売店に売り込むために渡米した当時の田嶋社長ですが、米国バイヤーからは「ライカM3の敵ではない。これでは売れない」と酷評されたようで、逆に一眼レフの開発を勧められたのかもしれませんね。
今回のタイトルの「ライカM3、ニコンSPのライバルになれなかった ミノルタスカイ」は、そういう意味も含めて感慨深い言葉になっていると思います。
田嶋社長は帰国後にスカイの発売中止を決定し、一眼レフ開発を急いで進めるように指示を出しました。

そして1958年には、ミノルタの最初の35mm一眼レフとなるミノルタSR-2が発売されますが、SR-2はスカイがベースになっていて、独自の3本爪バヨネットマウントのスカイ用に開発されていた交換レンズ群も一眼レフ用に再設計して流用されたようです。
スカイの発売を中止し、早期に一眼レフ発売に向かったのは商業的には正解だったと思われますが、スカイ発売とその後の展開も見てみたかったものです。
ミノルタ スカイ中止後もスカイを改良した量産型試作機のミノルタ35Ⅲが密かに開発されていたようですが、これも陽の目を見ることはありませんでした。ミノルタ35Ⅲの外観写真を見ると、スカイより外観的にはライカM3に近づいている感じがします。

投稿: MARK12 | 2009年10月26日 (月) 00時28分

MARK12さん、こんにちは。

ミノルタ35III型は確か「幻のカメラを追って」だったかな?カメラレビュー誌が初お目見えだったように覚えています。
もし、これらレンジファインダーカメラが発売されていたらどうなっていただろう、と思うと私もその後の展開に少し興味があります。
たとえば、日本光学でもSPIIやキヤノンの新型RF機なども出ていたかも・・・なんて事は無いなぁ~(笑)

投稿: MARU0 | 2009年10月26日 (月) 07時04分

出ていれば、手に入れていたと思います。

ライカM3の小型ペンタプリズムが日本では採算を経営的に判断すると、断念しなくてはならなかったのでしょうね。

マミヤでニューマミヤ6を出したときは、金型に光学ガラスを溶かして入れてモールド成形して仕上げの研磨だけで済むようになったのだから時代を感じますね。

いまこれらの光学技術は次世代コンピューターである量子コンピューターに必要なものになっていますね。
いまは暗号化できるところまで研究は進んでいて、後は送信できる距離を伸ばすのが課題だそうですね。
量子は光なので。
量子コンピューターが完成実用化されると、現在最速のスーパーコンピューターが100年かかる計算が数秒でできるそうですね。

投稿: ガタピシ | 2009年10月26日 (月) 21時16分

初めまして。
YouTubeにミノルタスカイの動画があるのですが、本物なのでしょうか・・・?
ttp://www.youtube.com/watch?v=C-uEns92hRM

投稿: XD | 2011年7月29日 (金) 11時08分

実物を見たことがありませんので、真偽は測りかねますが、ディテールが若干3面図とは違うようです。フェイクのような印象を持ちました。

投稿: MARU0 | 2011年7月29日 (金) 19時09分

XDさんご紹介のYouTube動画を見てみましたが、ミノルタ スカイではなく、明らかにフェイクですね。

左右のアイレット位置や形状などから見て一眼レフのミノルタSR-7あたりのボディを利用して距離計カメラ風に仕上げたものでしょう(ガッチャマン・カメラとしては楽しいですね)。

上カバー前面の距離計用の丸窓やシャッターボタン座以外に上カバーも含めて外観や外装パーツでミノルタ スカイを思わせるものは、ひとつも見い出せませんでした。

ミノルタ スカイ(黒)風のジョーク・カメラとしては、よく出来ているかもしれません。

投稿: MARK12 | 2011年7月30日 (土) 11時09分

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