ニコンF3 NASA仕様の条件
ニコン・スペースカメラと呼ばれたニコンF3 NASA仕様は250枚撮りのF3ビッグカメラと72枚撮りのF3スモールカメラがありました。(画像は以前に紹介しました「宇宙へ行ったニコン」を参考にしてください。)
このNASA仕様の製作は1978年12月にスタートし、そのプロジェクトチームは「S2」と呼ばれていたそうです。
NASAからの要求は自動露出のスペースカメラで、皆さんご存じのように、当時開発中のF3がベースになりました。
その他のNASA仕様の要求項目は、250枚撮りで撮影途中でもフィルム交換が可能なこと。シン・フィルムと普通の厚さのフィルムの両方が使えること。打ち上げ時や帰還時の振動に耐えること。真空状態でも使用可能なこと。真空状態でも蒸発しない潤滑油を使うこと。真空状態でも変化の無いフィルムを使うこと。可燃性のプラスチックは使えない(火がついた場合、自然消火できるプラスチックは可)。カメラから電磁波をださないこと。といったような条件だったそうです。また、そのほかにも、メッキの厚さや半田付けの際の半田の量や、防湿シール材など細かく規定があったそうです。
| 固定リンク
「NikonF3」カテゴリの記事
- 野火重本のF3(2014.04.06)
- キヤノン ニューF-1 診断室(2014.02.23)
- NASAは、三度パートナーにニコンを選んだ。(2013.12.19)
- ニコンF3新発売広告英語版(2013.11.30)
- 「スーパーニコン」―ボディ内に全ての測光系統を集約した。(2013.09.20)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
宇宙で使うとゆうことはやはりかなり特殊な環境に耐える必要があるのを感じますね。
細かな指定仕様とゆうのは、アメリカが宇宙環境で使えなかったことがあったからそのデーターの積み重ねを持っていたとゆうことですね。
可燃性のプラスチックは使えないとゆうのは、スペースシャトル計画の前のアポロ計画のとき、打ち上げ直前に指令船のコックピットで火災が発生して宇宙飛行士が全員焼死したいたましい事故があったからでしょうね。
投稿: ガタピシ | 2009年3月12日 (木) 10時22分
近年ではニコンD3発売直前にD2XsのNASAへの納入発表がありましたね。
樹脂関係は確かにアポロ計画時の事故などの教訓があってのことだろうと思います。
その為でしょうか、71年のFアポロやスカイラブ時のFも樹脂の代わりにアルミ?削りだしの部品を一部使ってました。
投稿: MARU0 | 2009年3月12日 (木) 19時50分
僕はF2フォトミックがきにいっているのですが、F3NASAはあこがれますね、でもGタイプ化でF3NASAでも「最小絞られ」ですから・・・・。デジタルとMFフィルムでVRのAFレンズが共用出来れば(AiAFーS
ーDのVRとか)多少値段が高くとも出てきてくれれば、NASAとは言いませんがF3もF2もFもD3と組めるのですが。
投稿: ゲッコール | 2009年3月13日 (金) 00時27分
ゲッコールさん、こんにちは。
近年のレンズはほとんどがGレンズで出てきていますね。
絞り環を付ける場合、サイズやコストなどの制約が多くなるようです、しかし、Ai-S規格で、カニの爪まで付いたAF-S/VRレンズが今後出てきてくれるなら(まずあり得ませんが)私の場合、距離などにもよりますが、購入の優先順位は高いですね。
投稿: MARU0 | 2009年3月13日 (金) 19時07分
銀塩のメカニカルシャッター機が売れ筋になるようだったら、絞りが付いた新しいニッコールの出現の可能性はまったくないことはないようです。
雑誌の特集に書かれていました。
写真用のレンズは第二次大戦から昭和の40年代初めの頃までの技術の最先端さはないですからね。
いま私たちが使っている一眼レフのペンタプリズムは、第二次大戦中の光学兵器の超最先端技術だったのですから。
投稿: ガタピシ | 2009年3月14日 (土) 19時20分
maruo様もガタピシ様もありがとうございます、大和の15.72メートルのレンジファインダーのレンズ生産なんかは物凄い気を使ったと言う事だったようですね。僕の友人のD80ユーザーは、レンズさえGタイプでなければFM10とか使ってみようかなといっていました、Ai AF 50mmDなども値上げするといっても安いので次はこれ(D80だと75mm)買ってみようと言っているのでFM10売れるチャンスかもしれませんね。まあ1台ぐらいでニコンが絞りリングのレンズをどんどん発売すると言う事も無いんでしょうが。
投稿: ゲッコール | 2009年3月15日 (日) 16時32分
私は多少期待しています。絞りリング復活。
デジタルで今問題になっているのが、デジタルプリントの保存性の悪さ。せいぜい30年とのこと。
メディアへの保存にしてもフォトCDも30年ぐらい。HDDの保存にしても銀塩のフィルムと比べるとやはり映像の保存性に疑問符が付くようになっています。
それとこれからパソコンの発達によってOSが新しいものになれば、データーとしての映像は見ることが出来なくなるとゆう問題も討論されているようです。
EXPO70の時代のIBM社の汎用コンピューターでデーターベス化されたものは、いま製品自体が無くなってしまった為、研究のデーターとして役に立たないとゆう現実的な問題も発生しています。
アメリカではムービー映像はコンピューターに保存するとHDDに保存する容量を考えると、フィルムでの映像保存の方が良いとゆう結論が出て、フィルムに保存する方向に向いているようです。
投稿: ガタピシ | 2009年3月16日 (月) 11時13分
ガタピシさん、こんにちは。
コンピュータの紙の穿孔テープデータや、近年では8インチフロッピー、身近なところでは古くは1インチビデオテープや近年ではベータなど、読み取り再生する機器がほとんど残っていない状況ですから、今後このような事が現在の保存されたデータにも当然起こりうるでしょうね。そうなるとガタピシさんのおっしゃるように、フィルムでの保存という手段は、再生機器や長期保存の実績などからもかなり有効な手段だと私も思います。
投稿: MARU0 | 2009年3月16日 (月) 17時12分
佐賀県立宇宙科学館の企画展でNASAカメラが6台展示されているようです。9月中旬まで開催だそうです。
投稿: U-S | 2009年7月23日 (木) 08時56分
U-Sさん、こんにちは。
情報をお寄せいただきありがとうございます。
9月中旬までの開催で、佐賀県ですと帰省などで九州地方へ行かれる方には朗報ですね。
投稿: MARU0 | 2009年7月23日 (木) 18時56分