Aiマイクロニッコール55mmF2.8は存在したのか?続編
1月17日の「Aiマイクロニッコール55mmF2.8は存在したのか?」の続編です。
皆さんからのコメントをいただきまして、それらの中に出てきたカタログの画像などです。コメントをいただきました皆さんありがとうございます。
1980年4月25日版ニッコールレンズカタログの一部です。
それのAiマイクロニッコール55mmF2.8部分を拡大したものです。
こちらを見ますとねこさん指摘のように、光学直読用絞りの最小値32はオレンジ色もしくは黄色に着色されているように見受けられます。
また、ニコンF3の新発売カタログのPB-6をつけたF3の画像にはマイクロの55mmF2.8が付いています。
こちらは最小絞り値32が白色にも見えます。光の回り具合でそのように写っているだけで実はオレンジなのかもしれませんが、そうではないとした場合、ニコンF3の初版カタログの画像はレンズもボディも発売前の物を使って撮影されていますので、試作品が使われている可能性は高そうです。しかし、白い文字ならAi仕様と言えそうですので、どうやらAi仕様のレンズも存在はしていると考えても良さそうです。ただし試作品のみの可能性は低くはないのではと考えます。
すずめさんお持ちのAiマイクロニッコールは画像を見ますと明らかに絞り環はAi-S仕様に見えます、また、パッケージや説明書は間違いなくAiとなっています。
おそらくというか、やはり、スポックさん他皆さんの考えとも合わせ、少なくとも国内ではAi仕様では発売はされてなかったのではないでしょうか。
もし、そうなら、なぜ発売時にAi-Sとしなかったのでしょうか?また、後年にAI-S仕様として(同じ物を)発売したのはなぜなのでしょう?
この時点で既に50mmF1.8やシリーズEがAi-S仕様で発表されていますし、海外では前年に発売もされています。明確な理由が分かりません、不思議な登場のしかたのレンズですね。
また、先のコメントに有りましたAFED600mmF4S(IF)ですが、実物は載ってませんがイラストとして紹介されているカタログの1ページを掲載します。
この時には単焦点レンズの距離環がチープでMFでの操作性をあまり考慮してないようにも感じられます。
AF180mmF2.8Sは1988年に距離環のデザインや結晶塗装の外観の(New)タイプへとなりましたね。
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コメント
行きつけのカメラ店の壁に貼ってある
レンズ総合カタログで数日前にこのレ
ンズを知りました。
写真で見る限り白い数字に見えます。
年月は記載があったはずですが、憶え
ていません(20mmが3.5と4の両方
載っているものでした)。
知りたいですね...詳細を。
投稿: 22 | 2009年1月19日 (月) 12時36分
> この時点で既に50mmF1.8やシリーズEがAi-S仕様で発表されていますし、
確かに薄型の50mmはF1.8Sと記載されていました。しかし「Ai-S」という「新規格」だとは一言も触れていません。この「S」は旧来の(薄型でない)F1.8と区別するためだと(客に)解釈させていたのではないでしょうか?ニューニッコールのときにも、50mmF1.4が小型になったときに、カタログにはF1.4Sと記載されていましたから。まだ、Ai-Sレンズの発売体制が整っていないであろう時期だったので、うかつに新規格レンズの噂が広まってしまうと、Aiレンズの生産調整が難しくなるかも知れませんし。そうでなくても、Ai化したときには、ユーザーからずいぶんと雑言を浴びたこともあり、「また変えるのか?」と言われると辛いものがあったと思います。私は買ったばかりの55mmF2.8をサービスステーションまで持って行って、丸い凹みと最小絞りの色入れを指して、「これは何のためにあるのか?」と、かなり食い下がって詰問したのですが、係の人はしらばっくれて、とうとう最後まで「何の意味もありません」で押し通されました。
投稿: スポック | 2009年1月19日 (月) 23時49分
スポックさんコメント有難う御座います。
確かにこの時点では上位互換である新仕様「AI-S」とは発表はされておりませんね。
まだ時期尚早だったのか、スポックさんが考えていたようにメーカーも危惧し、緘口令が出ていたのかもしれません。
そうだとすれば、確かにそれがAi-Sとして発売をしなかった大きな理由の1つと考えてよさそうですね。
この新仕様については、前年'79にはシリーズEとEMが海外で発売され、目ざといテスターがいろいろと予測を立てて紙上に書いていたことは日本の雑誌でも紹介されていたように覚えています。
それを受けて、私は日本で50mmF1.8Sが発表された時、シリーズEではなかったので、新仕様AI-Sが表に出てきたと考えていたのですが、どうやらスポックさんの問い合わせた時の経験から、こちらも私の早合点だったようです。
*カタログなど資料を調べていましたら、1981年10月1日よりAi-Sタイプの正式?発売となっているようです。
投稿: MARU0 | 2009年1月20日 (火) 17時18分
1981.12.10のAi-S発売カタログを見てみると50mm1.8Sと55mm2.8Sのみ全く記載がありませんでした。Ai使用の55mm2.8はないと思えて来ました。情報ありがとうございました。
参考ですが50mm1.8Sの取説(1980.4)でレンズ側マウント図にレンズタイプ信号ノッチが描かれてます。Ai55mm2.8の取説にも描かれていたら決定的ですね。
投稿: ねこ | 2009年1月20日 (火) 20時24分
●いつも楽しく拝見させていただいております。50mm/F1.8Sの後となるAI-Sレンズの2~3本の1枚モノのカタログ(105mm/F1.8Sがこの中に入っていた気がします)の説明は、操作性向上のため距離リングの回転角変更と、デザインの統一によるイメージ向上の2点のみでしたね。初めは85mm/F1.4Sなどの従前は無かった新製品から先に出てきたのも、今となっては事情が推察されて面白いです。
●Sレンズの見た目の特長である「レンズ識別ピン」も最初は何も触れていませんでしたが、S化前のAIレンズの「開放絞り情報ピン」が、古い説明書上では「レンズプロテクター」と表現されていました。EMから使用されはじめた機構ですが、AI化の時点で、AI-SとシリーズEの特徴である自動絞りレバーの動作角度と絞り値の比例関係が実現していれば、FAなどプログラムAE機がもっと早く登場していたのかもしれません。
投稿: ふみとパパ | 2009年1月22日 (木) 08時47分
遅ればせながら、マイクロ55mmF2.8は謎ですね。価格表で確認したが、81年10月1日発行までF2.8で載っており、同年12月10日発行で、いきなりF2.8Sに替わっていました。通常ニコンの価格表では事前に発売が決まっていれば「近日発売予定」として記載し、発売後は「新発売」と記載しますがこのレンズに限っては何の記載もありませんでした。やはり元々「Sタイプ」だったのではと思います。
600mmF4Sは、やはり試作で終了しています。F-501と同時発表でしがたが、87年11月1日発行まで価格表に載っていますが、同年12月1日発行では消えており替わりに「500mmF4P」が発表されています。記憶が定かではありませんが、「当初の設計通りの性能が出ないため一旦カタログから抹消します。」と言うようなコメントがどのかで書かれていた記憶があります。
今回は、価格表とカメラカタログで確認しています。当時のレンズカタログが遠い実家にありますので帰省の際に再度確認してみます。すみません!
投稿: NAKA | 2009年1月27日 (火) 12時06分
2年落ちの遅レスで恐縮です.私は1980年2月の発売直後に『S』表示のない55/2.8を購入しました.皆さまご指摘のように当初から最小絞値はオレンジで着色されていました.
注目すべきはレンズの化粧箱です.後のSレンズの化粧箱には,店頭で非Sタイプと区別するために右下に黒丸『●』が印刷されています.一方,SでないAiレンズの化粧箱には黒丸はありません.私の購入した55/2.8の化粧箱には,1980年2月の時点で紛れもない黒丸が印刷されていました.よって当時の日本光学工業は,レンズ本体の機能だけでなく,流通面でも本レンズがSタイプであることを十分認識しており,その上でSタイプの正式発表に先駆けて出荷したことは間違いないと思います.
以上,私見まで.
投稿: Columbites | 2012年1月31日 (火) 16時00分
1980年3月に無印2.8(#1890XX)を購入しました.しばらくして,Sタイプの新製品が出たと思っていました.これまでに何度か修理に出しています.修理に出すと55mm F2.8sとして扱われ,現在でも修理可能です.私も長年,Sか非Sか,謎だったのですが,遅レスですが,たまたま,記事を拝見し納得いたしました.
投稿: KK | 2012年5月 5日 (土) 17時32分