潜望式パノラマ写真機
日本光学にはかつて360度の景色を写しこむことができるパノラマ写真機が存在しました。
しかし、軍用の為、これも一般にはほとんど知られていません。
(四十年史より)
画像のようにミラーにより90度光路を曲げ、その縦筒の中に70cmF7の望遠レンズが組み込まれていました。
撮影される写真は幅が13cm、長さが450cmの連続したものでした。
本体の下部にはモーターが内蔵され、これにより上部の縦筒が回転し、下部のフィルム部は回転速度に同調して送られ、露出はスリットの幅を調節していたとのことです。
スリット式のため、回転部のがたつきで画像がボケてしまう為、当初はギヤ加工などの工作精度を出すのに苦労したようです。
また、別に専用付属品として、現像・焼付け機があったそうです。
昭和14年に2台ほど製造され、あのノモンハン事件の際、このカメラが活用されたと四十年史にありましたが、ノモンハン事件は昭和14年の初夏に起こり、全滅の危機に瀕し撤退したのが初秋ですので、この写真機は作られてすぐに戦地へ運び込まれたという事になると思われます。
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