戦前・戦中の日本光学製F値1.0以下の高速レンズ
戦時中は軍の要請によりコストを考えない?製品がいくつも作られていたそうです。
それに当てはまるのか分かりませんが、かつて日本光学製レンズの中には16ミリシネ用レントゲン写真機用6糎F0.85(昭和12年横須賀海軍航空廠医務部受注)とか、ノクトビジョン用シュミットレンズとして17糎F0.85(昭和19年9月出図・完成、画角12度)といった大口径高速レンズが存在しました。
この他に写真レンズとして昭和13年9月設計完了の3糎F1.0レンズがあり、これは、小さな光源を1/3に縮小し、且つ鮮鋭な光点を得る目的に使用する電送写真用のもので、5枚構成レンズで造ってあったそうです。
下の画像は6cmF0.85レンズの構成図です。
6cmF0.85のレンズは「製品の1台は名古屋医大その他へ貸し出され、明るい珍しいレンズとして人気を博した。」と四十年史に記載がありましたが、性能に関する記載は見られませんでした。
(四十年史より)
17cmF0.85のレンズは有効口径が200mm以上になり、画角12度といえば、35ミリ判では200mmの望遠レンズに相当します、写真機用ではないので、収差なども多少多く残ってはいたでしょうが、一度は覗いてみたかったレンズです。
しかし、光学兵器として生まれた物は、当然当時は公開されていませんでしたし、これらのレンズに、NIKKORの銘が入っていたのかも分かりませんが、ほとんど現存していないでしょうから、まさしく幻のレンズですね。
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