ニコンFのミラーアップ
ニコンFはミラーアップをするのに通常は1コマフィルムを無駄にしなければなりません。
しかし、調整による個体差がありますが、一応ちょっとした操作でその1コマを無駄にせずに済む場合があります。
操作は簡単で巻き上げ後、ミラーアップノブをセットし、シャッターレリーズボタンをポンと軽くたたいてやるのです。この時、下まで押し込んでしまわず、すばやく且つ軽くやってみるのがコツのようです。何かの雑誌でも紹介されていたような気もしますので、ご存知の方も多いかと思います。
ニコンFはレリーズボタンを押すと指の力で先幕第1ラッチ(爪?カギ?)、次にミラーアップ開始のラッチと順次外していきます。
その後動き出したミラーの力で先幕第2のラッチを外すと先幕が走行し撮影が始まります。
しかし、すばやく且つ軽くボタンを押すと、その先幕第1ラッチが外れず、なぜかミラーアップ用のラッチのみ外れて、ミラーが上がる場合があるのです。この場合、ミラーアップにより、先幕第2ラッチが外れますが、第1のラッチはまだ掛かったままですので、先幕は走行しません、そして、さらにレリーズボタンを押し込んでやると第1のラッチが外れて先幕が走行するといった具合のようです。
因に、クイックミラーアップボタンは、その第1ラッチを掛けたまま、ミラーアップ解除のラッチを外すようにした物です。
ただ、私の持っているニコンFではオーバーホールの上がった数台ではこれがうまく出来ずシャッターが降りやすく、比較的古めの641台や658台などとくたびれた705台では割合やりやすかったです。
それと根拠は無く、偶然なのでしょうか、F-36用に調整されたモータープレート付きのF何台かも、この、ミラーアップの裏技?の確立が低かったですね。
簡単に出来るものは出来ないものより少しレリーズが軽い印象でしたが、これも第1ラッチが掛かったままでいられる根拠にはなってませんね。機構に詳しい方のコメントなどいただけないでしょうか?
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コメント
MARUO様がお書きになられた通り、Fのシャッターには2つの係止があり、第一係止はシャッターボタンを押すことによって解除され、第二係止はミラー上昇が完了することによって解除されます。シャッターボタンを押すと、第一係止が外れるとともに、ミラー上昇の係止も外れます。そして、ミラーが上昇を始めてから、上昇が完了するまでに間に、シャッターボタンを戻して、第一係止を掛け直してやれば、シャッター幕は走りません。私が知る限り(経験)においては、これは時間の問題であり、シャッターボタンを押す力の強弱とは関係が無いように思います。
ご存知のように、Fのシャッターの基本設計は、SPのシャッターを流用したのですが、Fの第一係止がSPの係止に当たります。Fの場合は、シャッター幕の走り始めを、ミラー上昇完了まで待たせなければならないので、第二係止が追加されたのですが、それでは、何のために第一係止が残されているのかと言うと、ミラーを上方に固定して使用するときのためらしいです。ミラーを上方に固定してしまうと、第二係止は解除されたままになってしまうので、もし第一係止が無ければ、巻き上げ完了とともに、シャッター幕が走ってしまうことになります。つまり、ミラーを上方に固定すると、Fのシャッターは第一係止だけになり、SPのシャッターと同じような動作をするということになります。
投稿: スポック | 2008年5月30日 (金) 00時04分
[上昇が完了するまでに間に、シャッターボタンを戻して、第一係止を掛け直してやれば、シャッター幕は走りません。]
実はこれも考えてましたが、あまりにも個体差があったので、ストロークが関係するのか、ミラーが上がるまでの時間が関係するのかが判りませんでした。
また、先幕走行に2つのカギ解徐が設けられているのは、おっしゃるようにミラーアップの為ですね、これは理解しておりました、それとレリーズの重い軽いは関係ないようですが、私の場合、実用上重い(硬い)と押し込みが強くなり勝ちでうまくいく確立が下がってしまうようでした。情報有難う御座いました。
投稿: MARU0 | 2008年5月30日 (金) 09時50分