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ニコマートELの使用説明書

いきなりですが、簡単なクイズです。
下の画像は初期と中期のニコマートELの説明書の表紙と内容の一部です。
それぞれどの組み合わせが正しいでしょうか?(痛み具合は新旧の程度とは関係ありません。)
Elp47a
Ela_2

正しいのは1と4、2と3の組み合わせです。

当時のニコンでは修正事項があると割合細かく版を重ねていたようです。
この場合はアクセサリーの変更や説明書に使われているレンズがニッコールオートレンズからニューニッコールになっていたりと多数の箇所が変更されていました。
上のP.47画像で新旧の区別を付けやすい所はスピードライトの部分で、初期はまだSB-4が発売されておらず、また、SB-1がまだ発売されてました。皆さんもここを判断材料にされたと思います。

また、表紙ですが、初版ではニコンF2の取り説と同じようにロゴや機種名部分が中央ではなく、非対称レイアウトになっていました。
F2photomica
(下が初版)

なぜ初期の説明書だけこのような配置にしてあるのか理由は分かりませんでした、ただ、この後のモデルからはこのように初版だけ非対称に配置にするといったような事はなくなりました。


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Ai/AF Nikkor 20mm F2.8S

Ai/Afニッコール20mmF2.8Sは1989年7月に出ました。
下はそのデータです。
Af20mmf28sa
この頃はF4が発売され1年余りの時で、AF用の広角ズームも短焦点側はまだ20mmの物も出ておらず、手ごろなAF用超広角レンズとしては待望されていた物だったようです。
また、当時の広角を含む高倍率ズームでは歪曲や周辺光量、解像力などがんばっては来ておりましたが、この20mmのような短焦点レンズには明るさ、最短距離、歪曲、周辺光量、解像力など描写性能はどれをとってもまだまだ差があり太刀打ちできるレベルにはなってませんでした、というかこちら20mmの出来が良いと言うべきかもしれません。

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ニコンS2と5cmF1.1広告

ニコン用の大口径標準レンズ5cmF1.1が出た翌1957年10月の写真工業のニコンの広告です。
S2195710s
大口径F1.1の浅い(薄い)焦点深度でも充分なフィルムの平面性確保し対応できるように、フィルム圧板が大型になった事を紹介しています。
確かにこのモデルから圧板は大型化され、それが後継のSP、及びFやF2でもほとんど同じ大きさで受け継がれていますね。


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ファックス・EL・ニッコール

写真工業1960年10月号のニュースフラッシュに下のようなニコンの新製品の案内が掲載されてました。
Fax_el_nikkor63mmf35196010a
紹介されていたのは200~600mmF9.5~10.5のニッコールテレフォトズームと同構成と思われるテレビ用、それと、聞き慣れないファックスELニッコールです。
その聞き慣れないファックス・EL・ニッコール63mmF3.5ですが、紹介文を見ますとなんてことは無い初期の63mmF3.5のELニッコールだと判ります。
ただ、この頃の発表時にはそのように広報資料に明記されていたのかもしれません、画像にはレンズリングの銘部分が写ってはいないのが残念です。

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ニコンFのレンズマウント

以前にニコンFマウントの解説記事を紹介しました。
今回のもニコンFマウントに関する記事の紹介ですが、こちらは「ニコンFのレンズマウント」となっていて、Fマウントに関する解説では古いもので、この記事の時点ではまだニコンF以外のFマウントカメラは発売されてませんでした。
Fa
(写真工業101号より)

(10)の内部直進案内キーですが、当初は2.1cm広角レンズでの使用以外も予定していたような記述がありますね。しかし、実際は他に使われる事はありませんでした。
この内部直進案内キーが設けられた最後のカメラは私が知る限りではニコマートFT3だったと思います。
F3の時には測光部の関係でミラーボックス下部が狭くなり、レンズが干渉しますので設けられませんでした。以後の機種も同様ですね。
ただ、以前F3の中期頃、F3AF用の前ボディダイキャストを共用していた時期には、そのマウント内接点の台座部分がちょうどF2以前のマウント内にある直進案内キーに位置と形状が近く、一見すると使える(対応している)ように思えてしまいました。

しかし、しかし、・・・内部直進案内キーを利用したステレオ撮影装置って出して欲しかったなぁ。

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「ニコン」登録

画像は「ニコン」を登録し広告された時のものです。(ニコン75年史より)
A
発売が決まったニコンの命名に関しての経緯は前出75年史には下のように記されています。
A_2
この辺のことは「明るい暗箱」にも記されています、興味のある方は一読をお勧めします。
さて、「ニコン」に関して面白い記事が写真工業100号記念特集の北野邦雄氏の「ヒットカメラの回顧」にありました。
A_3
北野氏は「ニコンの名が日本のコンタックスと思わせられる」と記しています、確かにニコンI型はそのような外観で、それ以前からも内外のカメラに造詣が深い北野氏ならもっともな感想だと思います。

もし、日本光学の35ミリカメラが「ニコレット」だったら現在どうなっていたのでしょう?少し気になりませんか。

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ニコンS3Mの性能と特徴

昨日に続きニコンカメラのモータードライブネタです。
写真工業97号には「新鋭カメラとメカニズム」が特集され、その中に日本光学製品ではニコレックス(35)とニコンS3Mが掲載されてました。
今回はそのS3Mを紹介します。
S3ma
これを見ますとS-36とS-72が内部機構は違いが無く、単にフィルムカウント部分の違いでしかない事や巻上げに掛かる時間も3分の2になる事が判ると思います。

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ニコンモータードライブと活用面

写真工業96号「連続撮影カメラ」と題した特集に「ニコンモータードライブと活用面」という記事が掲載されていました。
この中には一般市販はされなかったと思われるS系用の長尺フィルム使用カメラS-250とS-500が紹介されています。
A
S-500ですが実物の写真は無く、おそらく需要があればS-250のカウンターなどを変更して対応する予定だったのではないかと思っています。
また、そのベースのS-250も実際の需要はF-250へ流れてしまい先に記したように販売はされなかったか、受注で極少数が製造されただけではないかと思われます。


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S2そっくりさん

画像はニコンS2とその同時期に出ていたライカマウントのレンズ交換式レンジファインダーカメラでニコンS2に似ていると言われていたメルコンII型とタナックSDを並べたものです。
S2a

メルコンIIのボディダイキャストはライカM3を思わせる長円形ですが、エプロンからファインダー廻りはS2に似ているように感じます。
タナックSDのファインダー廻りや軍艦部はわりとS2に似ているとは思いますがマウント廻りは擬革のみですので私の印象は全体の雰囲気はそれほど似ているとは感じませんでした。

詳しくは知りませんが、これら2台は意匠の問題からか短命に終わり、珍品として扱われめったに見かけることはありません。

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ステレオカメラによる写真測量

写真工業192号に「写真測量 ステレオカメラによる交通事故処理方法」という記事が掲載されてました。
1a
2a
3a
4a

この時の記事に紹介されていた機材はカールツアイス社のステレオカメラSMK120でしたが、こちらで以前紹介したニコンのTS-120はそれまでの機種の良い点を取り入れた後継機として開発されたようです。(参照:”今後の問題点"部分)
この記事でおおよその使われ方などは判ると思いますので今回紹介しました。
内容とは関係ありませんが、TS-120を紹介した時の画像に出ていた警察車両も時代を感じさせる物でしたが、こちらは更に古く、私はウルトラQやウルトラマンに出てきたパトカーを連想してしまいました。(笑)

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世界が証言する "Nikon is BEST 広告

1968年、この頃ニコンは「世界が証言する "Nikon is BEST"」のコピーでシリーズ広告を出してました。
Nikon_is_best1a
上の画像は1968年5月に各カメラ誌に掲載されたニコンの広告です。
極寒、高温多湿、低温で空気の希薄な高知など条件の厳しい所で使われたようですが、採用のきっかけは朝鮮戦争の時の神話?が利いているのでしょうか・・・

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ニコンI型初期

画像はニコンI型の初期カタログのコピーと珍しい5cmF3.5付きニコンI型です。
Nikon1catalog_olda
Nikon15cmf35a
ほとんどが5cmF2付きで出荷されたと聞いていますので、上の画像のような状態のニコンカメラはとても珍しいと思います。
Nikon1a
ニコンI型の図面です。


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The Auto-Compact Nikon FE

表題のコピーはニコンFEが発売されて半年以上過ぎてから使われだしたカタログコピーです。

当初は下の画像の下部分のように「シンプル・ニコン」でしたが海外では判りにくかったのか上記のような(画像上部)「The Auto-Compact Nikon FE」となりました。
Fea
「シンプル・ニコン」のやや抽象気味のコピーからより具体的な「The Auto-Compact」となりましたが、私個人的にはシンプル・ニコンの方が愛称的には良い印象でした。


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砂型鋳物

ニコンカメラ(I型)は開発当初は本体をダイキャストで設計していたそうです。
ダイキャストはそれまで軍用の双眼鏡などに使用経験があり、採用が決まったそうです。
しかし、当時の技術では裏ブタの嵌る溝などの細かい部分はダイキャストでは出来なかったとの事で、後に機械加工が必要な部分が多数出てきてしまいました。
当時のダイキャストでは肉が厚い部分はその部分が多孔質になってしまい切削加工の際のスができたり、不純物の結晶が析出しカッターが欠けてしまうなどうまくいかなかったようです。
日本光学では自前で砂型の鋳物工場を持っており、材質から精度にいたるまでの要求を満たす事ができ、結局ダイキャストを諦め本体は砂型鋳物で作られたという経緯があったということです。
これは基本設計が同じですのでニコンM、Sも当然砂型の鋳物です、ですのでS2以降のニコンカメラと比べるとずっしりと重いのが分かると思います。
その後、質の良い素材や技術の進歩によりダイキャストで高い精度の物が作られるようになり現在まで本体はダイキャストが使われるようになったとのことです。

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ニコンF時代のガゼットケース

ニコンは古くからカメラとレンズ、アクセサリーを1つに纏めて収納できるガゼットケースを出してました。
ニコンFの時代にはシステムの多様性が増した為でしょうか多種類のケースが発売され、時期とともに変更されていきましたのでそれらをいくつか紹介します。
当初のケースはアクセサリーの収納位置なども決まっておりましたが、後のモデルになるほど汎用性が高くなっていきました。
角型ケースFB-1Z:ニコンF(メーター付きも可)又はフォトミック系ファインダー付きニコンFに105mmF2.5 程度までの鏡胴長さのレンズを着けたまま1台のみ収納可能、他にBC-5フラッシュガン、フィルター3枚、広角用フード、ガンカプラー、フィルムマガジン2本が収納可能、交換レンズは収納できない、大きさ12×18×15(縦・横・高さ センチ)
これより前43~86mmズームが出る前にはFB-1があり、こちらは標準レンズ程度の長さのレンズ付きのニコンFが1台収納可能で、FB-1Zよりサイズも少し小ぶりでした。型番最後のZはズームを意味しているのかもしれません。

ガゼットケースFB-3:ニコンF(メーター付きも可)又はフォトミック系ファインダー付きニコンFどちらか1台(135mm程度までの長さのレンズ付きも可)、全長9センチ程度までの交換レンズ2本と135mm程度までの長さの望遠レンズ1本が収納可能、フィルター6枚、ニコンメーター、ウェストレベル又はアイレベル又はフォトミック系ファインダーのうち1つを収納可、ブースター(ケース付き) 大きさ16×27×20
*このケースとほぼ同じ大きさでレンジファインダーカメラとレンズ数本、ファインダーやフィルターを収められるようになっているNB3型というガゼットケースも有りました。


モータードライブ用ガゼットケースFB-4:ニコンF(メーター付きも可)又はフォトミック系ファインダー付きニコンFどちらか1台(標準系程度の大きさのレンズ付きも可)をF-36付きで収納、135mm程度までの長さのレンズ1本、フィルター6枚、ウェストレベル又はアイレベルファインダー、電池テスター、F-36本体又はF裏ブタ、電池ケースと雑品 大きさ13×30×20

バヨネット型ガゼットケースFB-5:ニコンF(メーター付きも可)又はフォトミック系ファインダー付きニコンFどちらか1台(300mm程度までの長さのレンズ付きも可)、300mmF4.5までの交換レンズ3本、フィルター4枚、雑品(前面ポケット) 大きさ22×31×23

(組み合わせ)フォームラバーケース:ニコンF(メーター付きも可)又はフォトミック系ファインダー付きニコンFどちらか1台(標準系程度の大きさのレンズ付きも可)、FB-3と同様の交換レンズ3本が収納可、BC-5フラッシュガン、フィルター6枚、広角用フード、ニコンメーター、E2リング 大きさ22×31×13

上記ケースは下の写真参照してください。
Fa

ガゼットケースFB-6:ニコンF(メーター付きも可)又はフォトミック系ファインダー付きニコンFに広角から標準レンズまでを着けた2台を収納可、他に200mm程度までのレンズ1本、フィルター6枚、前面ポケットと内部ポケットに各種アクセサリー収納可
FB-7は直結バッテリーケース付きモータードライブ付きニコンFが入れられる物、バヨネット付きのFB-8はFB-5の後継モデルですが、こちらは合成皮革(クラリーノ)で現在は加水分解してボロボロの物が多いと思われます、FB-9は収納付属品の融通性を持たせた可動式の仕切りになっているFB-3の後継モデルと言えるかと思います。
また、フォームラバーケースも2型になり、レイアウトが変り300mm程度までの望遠レンズも収納可能になりました。フォームラバーケースの緩衝材も年月を経てボロボロになってしまい、こちらも現在使える物は少なくなっていると思います。
FB-10はF又はF2のモータードライブ付きで収納可能、FB-11は可動式の仕切りを持つ大き目のガゼットバッグです。この辺はF2の時代のものとなります。

バッグ類は結構場所をとりますので私はほとんど集めてはおりませんが、FB-1はコンパクトでNikonFの型押しがポイントになり好みの1つです。

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Ai-Sレンズでプログラム制御露出可能カメラ

前回の表にある第二世代のオートフォーカス(ニュータイプ)のうち2番手にニコンF-501が上げられています。
ミノルタα-7000から遅れること1年半近くで相当水をあけられてましたが、このF501って案外捨てた物じゃない面もあります。

まず、ニコンF3AF用のレンズがちゃんと使えますし、数少ないAi-Sレンズ使用時のPモード露出が可能なことです。しかもニコンオートフォーカスカメラとしては唯一のものでした。

ほかにAi-Sレンズ使用時にPモードが使えるのはF4以前のマニュアルフォーカスカメラがほとんどで、FA、FG、F-301とこのF-501だけだったと思います。
(F4ではタイムラグの大きさから採用されませんでした。)
*因みにニコンF-501は89年12月に在庫払底するまでに491000台が出荷されました。

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カメラはどれだけ進歩したのか

写真工業の新年1月号はだいたいその1年の予想や展望といったものが多いのですが、写真工業1987年1月号の特集は「カメラはどれだけ進歩したのか」というものでした。
その中の表に以下のような物が掲載されていました。
1a
2a
3a
4a
この表の中のニコンカメラに目を向けますと、シャッター関係では先端を行っていたと個人的には思ってましたが、それを裏付けるデータとなってます。
また、マルチプログラムはニコンFAが早かったのですが、すぐ追随している事もこの表のデータで知りました。
余談ですが、評価測光は35ミリ一眼レフの表の中になぜか中判のマミヤRZ67プロが1番目として載ってます、実質135判ではFAが最初だったはずです。それに横走行1/2000秒の項目のキヤノンF1は1971年3月発売ですので1970年9月というのは発表時期で間違いですね、尤も順位の変動はありませんが・・・
間違いついでと言っては何ですが、LED点灯にしても2番手はおそらくニコンF2フォトミックSだと思います、そんな事も含め以外と穴の多いデータではありますが、技術導入時期の比較としてはわかりやすいので私は参考にしています。


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ダイキャストの塗装

ニコンFの時代はS2以来培われた経験・技術によりかなり精密にダイキャストの加工製作ができるようになりました。
その仕上げも黒色アルマイト処理後に3度の塗装で出来ていました。
具体的には下塗りに黄色の防食用ジンクロメイト塗装の上に黒色のエポキシ系塗料を焼付け塗装していました。
塗料は粘度管理され、塗装後の焼付けによる歪が出ないよう温度管理も厳密に行われていたそうです。
仕上がりの塗装の厚みは5/100~6/100mmに抑えられていたとのことです。

確かに中期頃までのニコンFのダイキャスト部分の塗装のはげてきた所などを見ますと黄色の塗装が見えている場合がありますね、しかし、私の持っているいくつかのFの中でも700万台あたりの物などは黒色の下は直接黒アルマイト処理になっていた物もありました。

10年ほど前にその点を伺ったところ、通常はアルマイト処理を行えば仕上げの塗装だけでも充分な防食と外観が保てる為、特に生産数の多かった時期などはそのような場合があったとのことです。しかし、それが最後までそうだったのか、或いは一時的なものなのかは聞きません(聞くのを忘れてました)でしたので、今となっては、この点が気になるところです。
経緯をご存知の方、或いは、塗装がはげて黄色が見えているかの有無などの情報を(番号を添えて)いただけるとありがたいです。

ここからは私の想像ですが、ニコンF2のダイキャストは黄色の防食塗装はされてないのではと思います。
製造番号による時期的にも合致しますので、この頃からニコンFも同じ仕上げ工程になったのではないかと思っています。ですので一時的なものではなく、ニューFに至る最後まで黄色の防食塗装は省かれるようになったのではないかと考えています。

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双眼鏡 NOVAR 7×49と7×50の違い

戦後間もない頃の日本光学の主力商品であった双眼鏡ですが、戦時中も相当数が使われていました。
それらの中でも上記の物は現在でも国内外のオークションなどでたまに見かける事があります。

7倍50mm口径と49mm口径の違いですが、伝聞によりますと、当初7×50のレンズはカシメでレンズを押さえていたそうです。南方での使用では気候の為かレンズのバルサムはがれなどが頻発したそうですが、レンズがカシメられていたので現地では修理が出来ず、対応出来るようネジによる固定に変更されました。
その際のリングがカシメより若干厚く口径が小さくなってしまい、表記も49mmとなったとの事です。

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栃木ニコン テレスコマイクロ

栃木ニコンが2000年夏頃に企画制作しニコンのネット販売でヒットした単眼鏡「テレスコマイクロ 8×20D」です。
これはコンパクトな望遠鏡として、或いは鏡胴を伸ばしてマイクロスコープとして使え、しかも当時発売されていたニコンのスイバル式デジカメの900シリーズやアダプタを介してその他のクールピクスシリーズにテレコンバーターやクローズアップレンズとして使えました。
後にさらにEDレンズ使用で高性能な「テレスコマイクロ ED 6×18D」も2003年に発売されました。

下の画像は初代テレスコマイクロの取り説です。
A
便利な付属品も揃っていて初代が実売19800円、2代目が24800円~でした。


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カメラジャーナル ニコンS3再々生産

カメラジャーナル61号はニコンS3の特集でした。
61a
これは1998年5月号で、執筆時期が4月初めだった為、ちょうどこの頃がニコンカメラ誕生50年だった事をネタにしてチョートクさんが知人をだました事などが記されていました。
しかし、その2年後にはS3-2000モデルが発売され、現実のものとなりました。
この頃から発売の企画ははじまっていたようですから、もしかしたら、どこかからリークした情報をエイプリルフールに絡めたのかもしれませんね。

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PCアダプターPB-6P

ベローズアタッチメントPB-4/5からPB-6へモデルチェンジする頃(昭和53年)、これらが全て紹介されてました。
A
その中にPB-6Pという型番のPCアダプターも記載されています。
これはPB-6の先に付けるか取り替えるとPB-4と同じようにレンズ部がシフトだけもしくはシフトとティルトできるようにするアダプターだったようです。
しかし、販売は見送られてしまったようで、これ以降カタログなどで見かけることはありません。
その為詳細は不明ですが、もし、これが発売されていたら、PB-4以上にシステムの発展性が高く、用途も広がっていたと思われます。

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ニコンF2 MD-3新発売

ニコンF2用モータードライブとしてはかなり遅れ、Ai化とほぼ同じ時期に出たものです。
当時キヤノンAE-1に代表される一眼レフカメラの自動巻上げ装置がアクセサリーとしてかなりブームになっていました、そんな関係で高級機F2にも需要が高まり、普及型のモータードライブが出たのではないかと考えています。
Md3a
F2md23a
画像は1977年当時の各カメラ雑誌に掲載された新発売時の広告の1ページとモータードライブカタログ最後に載っている仕様表です。

MD-3の良いところはMD本体の着脱にはカメラ内のフィルムの有無に影響されない事と、私感ですがグリップがこちらの方が握りやすい事だと思っています。

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ニコマートELW

Elw1a
Elw2a
1976年2月21日*発売のニコマートELWはニコンSLR初のモーターワインダーを付けられるカメラでした。
その後ニコンでは「ワインダー」を付けられるカメラを発売しておりませんので、AW-1は現時点では唯一のFマウント用ワインダーと言えるかとおもいます。
しかし、ニコンのモーターワインダーとしては実は2番目でして、以前少し紹介しましたニコンS2用の物が1番目と言う事になります。(当時の呼称)
とはいえ、ほぼ同じ内容の物が後継のSP以降ではモータードライブとなっていますので、機能面での区分(ニコンの場合、連写不可)ではなく呼称だけといえそうです。
この広告には記載はありませんが、発売時は本体とワインダーAW-1とはセット販売のみでした。
後には本体単体での販売も出来るようになりましたが、国内ではセット品やEL2時期まで売られていたAW-1単体をあまり見ないので、それほど人気がなかったのかもしれません。

*記憶が曖昧ですが、この頃は2月下旬頃に日本カメラショーが始まっていたと思います、その時期に合わせて発売されていたのでしょうか。


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世界初の本格的ワイドズーム

(ニュー)ズームニッコール28mm~45mmF4.5は画像のコピーにありますように28mmからの広角域を含んだズームとしては初の物だったようです。
2845f451a
2845f452a

高価なレンズで、カラーバランスは良いが、広角側ではタル型の歪が少し目立ち、しかもF値4.5という明るさやあまり寄れないこともあり、ズームがあまり好きでない私はヨンサンハチロクより少し広角が使える普通のズームという印象でした。
しかし、ニッコール千夜一夜物語を見ますと、設計から数年を経て商品化されたようで、広角ズームの設計の難しさの一端を知ることができます。また、28mm側の歪曲も意外と目立たず認識を改めさせられました。


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ニコンFマウントのマクロレンズ

ニコンFマウントの接写用レンズはマクロとは言わず、マイクロを名称に使っています。
しかし、意外なところにマクロレンズが存在していたりします。
勿論マルチフォト用などの本格的なシステムのレンズにも存在しますがニコンFマウントでは無かったので今回は除外です。

まあ、ちょっと勿体を付けて書きましたが、実は、なんてことは無い、ニコンおもしろレンズ工房の「ぐぐっとマクロ」のことを言っているのですが・・・

でも、このレンズ、意外と実力はありまして1/5倍程度ですと中心部は結構シャープです、しかし、絞りが思うように切り替えられないのが大きな欠点ですね。
A
再生産型おもしろレンズ工房の説明書の仕様ページです。

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S用カメラアクセサリー価格表

下の画像は昭和44年前後頃のニコンS系アクセサリーが発売されている終わり頃の価格表です。
S1a
S2a
S3a
S4a
今の貨幣価値とは随分違いますが、もし、今、この表に載っている物全て新品をこの価格で売ってもらえるなら、即金で買ってしまいますね。(大汗)
*モータードライブF-36となっているのはS-36の間違いだと思われます。

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ニコンFマウント受注生産レンズ

ニコンFマウントの受注生産レンズはそれほど多くはありませんでした。
フィッシュアイ・ニッコールオート6mmF2.8、同Ai、同Ai-S
フィッシュアイ・ニッコール6mmF5.6
(New)ニッコール13mmF5.6、同Ai、同Ai-S
AiニッコールED・(IF)1200mmF11、同Ai-S
レフレックス・ニッコール2000mmF11、同(C)
(New)ズームニッコールED180~600mmF8、同Ai-S
(New)ズームニッコールED360~1200mmF11、同Ai-S
AiズームニッコールED・P(IF)1200~1700mmF5.6~F8
の8タイプ16種類ではないかと思います。
また、フィッシュアイオート6mmF2.8は発売当初は受注生産とはなってはいなかったようです。

それと私は意外に思ってますが、前回カタログを紹介したUVニッコールは特殊レンズですが受注生産品とはなってません。


続きを読む "ニコンFマウント受注生産レンズ"

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UVニッコール105mmF4.5のカタログ

画像は1997年1月版のUVニッコールカタログです(裏表紙除く)
Uvnikkor1a
Uvnikkor2a
Uvnikkor3a
Uvnikkor4a
Uvnikkor5a
Uvnikkor6a
Uvnikkor7a

カタログの内容は特殊レンズの専用カタログの為か割合詳しく記されていて、特にフィルターのデータや紫外線写真と一般写真との比較など、紙面の制約が少ないぶん詳しく掲載されていて参考資料として活用できるかと思います。

画像を見て判ると思いますが、紫外線透過フィルターは可視光をほとんどカットしてしまいますので、この状態では普通の撮影のようにはピントを合わせるのは困難です。


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New Nikkorの「S」タイプ

ニコンFマウントのレンズ、一例として50mmの場合、

1) NIKKOR AUTO 50mm F1.4
2) NIKKOR AUTO 50mm F1.4(C)
3) (new) NIKKOR 50mm F1.4
4) (new) NIKKOR 50mm F1.4S
5) Ai-NIKKOR 50mm F1.4
6) Ai-NIKKOR 50mm F1.4S
7) AF Ai-NIKKOR 50mm F1.4S
8) AF Ai-NIKKOR 50mm F1.4S (NEW)
9) AF Ai-NIKKOR 50mm F1.4D

と、上記のような種類があります。
この中で4番目のニューニッコールには末尾に「S」が付けられています。

この「S」はAiレンズの「S」化とは意味合いがちがいます。
Aiレンズの場合は絞り連動レバーの角度と絞り値がリニアに対応したり、距離環の回転角の見直しなど操作性や機能面の向上でした。
では、ニューニッコールの「S」化(とは言っても50mmF1.4と135mmF2.8だけですが)はどういったものだったのでしょう?

それは下のカタログのレンズスペック一覧表の比較を見ると判りますが、新設計によりレンズ構成も変り、サイズ、重量のコンパクト化と全くの見直しが行われた事を表しています。
*ニューニッコールの末尾の「S」ですが、カタログ最後の説明にありますように「Superior」の略だそうです。


Newnikkors

NewニッコールのSタイプレンズですが(特に135mmは)、発売が1976年4月で翌1977年3月にはAiレンズに切り替わってますので短期間の販売でそれほど多くは無いのかもしれません。

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ニコノスRSと外国為替及び外国貿易管理法

ビューファインダー付きのニコノスは水深50mまでの水圧に耐えられ撮影ができます。
SLRのニコノスRSはその倍の水深100mでも撮影が可能でした。
しかし、その性能の為故に「外国為替及び外国貿易管理法」の輸出規制品に該当してしまい海外での販売地域が限定された事もあり、以前記したように販売台数は僅か5000台程度でした。
5000台という数字は39万円と価格設定したのカメラを開発し製造するには少なすぎてpayはできなかったものと推察しております。
また、日本国内で購入し海外の海での撮影の為に持ち出すにも積戻条件付輸出許可証の申請や再び日本へ持ち帰った事を証明する必要があるなど結構煩雑な申請処理があったようです。
しかし、1996年9月13日に外国為替及び外国貿易管理の一部が改正され輸出規制からはずれる事になりましたが、その時には皮肉な事にニコノスRSは製造が終了していました。
因みに規制対象から外れた理由は「150mを越える水深まで使用できるように設計または製造されたもの」と規制値が変更となったためです。

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