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F一桁機アクセサリーシューの位置

F4以降のF一桁機のアクセサリーシューは、F、F2、F3*1の歴代のFと異なり、ペンタプリズム部に設けられています。

 この形態になった一番の理由は、一般的な位置にJISに定められた一般形状のスピードライトを使えるようにした為です。そして、F3タイプ(SB-17など)とその他に分かれているスピードライトの一本化を果たしました。
一本化については、F3の方でも対応できるよう、一般的なJISシュー取り付けのニコン製TTL調光のスピードライトを使うためのアクセサリーAS-17が後年追加されました。おそらくF3用アクセサリーとしては、最も遅くに出た専用アクセサリーの1つではないでしょうか。

 また、F4以降ではAF機となりアクティブ補助光を利用するために光軸中心にスピードライトをセットしたかったのも理由の一つとなっています。

 F4以降ではモータードライブは内蔵型になりましたが、手動巻き戻しも残っています。これはニコンのこだわりの1つであるようで、実際にフィルムを今でも頻繁に使う方は手動巻き戻しを状況により重宝に案外使っているようです。また、手動で巻き戻しをしなくても、巻き戻しレバーの回転でフィルムを確認することが出来るのも古くからの機種を使っている方には安心できる材料になっていると思います。

 F3以前の巻き戻しクランク基部に付けるスピードライトのロック方式は外れにくい点では優れていると思い
ます。この点についてF4の場合は途中からですが、外れ防止にセーフティロック機構が設けられF5以降でも継続しています。これに対応するロックピン付きのスピードライト(SB-26以降など)装着時には外れにくくなり不意に脱落しなくなりました。
なお、未対応のF4も改造可能でしたが、販売終了後かなり経ちますので、今でもこの改造を受けてくれるかは未確認です。

余談ですが、ニコンFやF2に一般向けJISシューのスピードライトを装着できるアクセサリーAS-1があります。
これを使って一般用のJIS足ニコンスピードライトをF2のフォトミック系やアイレベルファインダーに設けられたレディライトを点灯させ活用する事はできません。
以前に記しましたニコン独自のシュー接点のうちレディライト用接点を設けて、ニコンF2用DE-1やDP系のレディライト接点に繋げられる新AS-1が出れば、SB-15などを使ってもファインダー内でレディライト点灯による撮影準備を知る事ができ、スピードライトの一本化が更に広がり、より良かったと思いました。


*1:F3PやF3Lなど一般に継続販売されてなかった機種を除く。

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ニューFのカタログ

画像はニコンニューFのカタログの表紙です。
Newfa

ニューFのカタログはおそらくこの表紙のタイプの物のみではなかったかと思います。
とはいえ、裏表紙のニコン営業所や修理部署の電話番号などの変更に伴う版の違いはいくつかあります。
また、その局番間違い(ミスプリント)を手書きで直した物もあります。
これらは期間が永かったので発行部数は相当多かったと思われます、このタイプのカタログをお持ちの方は結構居られるのではないでしょうか。


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スプリットイメージ・プリズムのピント検出能力

写真工業1977年11月号に一眼レフカメラの焦点板によく使われているスプリットイメージのプリズムについての解説などをアサヒカメラニューフェース診断室で有名なカメラドクターの小倉磐夫氏が執筆し掲載されています。
1a
2a
3a
4a

R型フォーカシングスクリーンはプリズムの角度を小さくしてF値の大きいやや暗めのレンズに対応していますね。
その為、明るいレンズではピント検出精度が落ちる理由がこれによってわかると思います。

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ニコマート外光式

ニコマートは最初TTL測光ではなく、外光式測光で計画されていたのは、「ニコンファミリーの従姉妹たち」で紹介されていますのでご存知の方も多いと思います。
A
もしこちらが出ていたら、絞りには連動しませんが、内蔵露出計を活用できますからミラーアップレンズの2.1cm専用にして使いたいと思ってしまいました。ニコンFではファインダーが巻き戻しクランク上に来てしまう事を思えば、ファインダーも後期型のニコマート用アクセサリーシューを使えば装着できますし、位置もレンズ上部に来て使い勝手も良く、なにより、ニコンFフォトミックよりスマートです。

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EL Nikkor データシート

写真工業1979年10月号の巻末に掲載されたエルニッコールのデータシートです。
Elnikkora
各レンズの構成図は無いのですが、その他のデータは分かりやすくまとめてあると思います。
また、Fマウントレンズのリバースリングにあたる前側マウントリングの詳細図も出ています。
エルニッコールを接写にも活用するには重宝な情報だと思います。

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NonAi&Ai装着可能カメラ

ニコンカメラに造詣が深い皆さんには、今更言うまでも無い事なのかもしれませんが、無改造で非AIのオートニッコールとAiレンズが付けられるカメラというのは以外と少ないのです。
ニコマートFT3
ニコンEL2
ニコンFM
ニコンFE
ニコンF2フォトミックA
同フォトミックAS
ニコンF3
ニコンF4

Aiレンズになった当初、同時期に出たカメラがおおよそ該当します、その後はF一桁機ではF5以降が改造によって装着可能になっていますがその他は対応しなくなってしまいました。
尤も、非Aiレンズ装着の際の測光は絞込み測光になってしまいますので使いやすさではオートニッコールからニューニッコールまでの時代のカメラを使う方が良いのですが、ニコンF2はファインダー交換によりそれぞれのレンズで開放測光に対応できますのでこの件については一番使い勝手が良いように思っています。

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ライフ社からの初注文 Nikkon camera他

昭和25年12月10日、ニューヨークタイムズのフォトグラフィ欄のトップにニコンカメラとニッコールレンズの優秀性に関する記事が掲載されました。これによって広く一般に「ニコン(ナイコン)」が知られるようになったようです。
これがきっかけになったのか分かりませんが、その後(昭和25年12月20日)正式にライフ社より注文が入りました。(下の画像、ニコンの世界より)
A_2

この時はニコンカメラ(S型)1台と同マウントの85mmF2と135mmF3.5、ライカスクリューマウントの50mmF1.4、85mmF2、135mmF3.5各1本づつのレンズ5本でした。

しかし、よーく見るとカメラがなんと「Nikkon camera (box only) - regular mount」になっているんですよね。
単純なタイプミスなのか、ニコンカメラにたいする認識がこの程度だったのかは定かではありませんが、私は、ちょっと残念な気分になってしまいました。


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AFニッコール80mmF4.5改良版(AE)

1971年シカゴのフォトエキスポで発表されたオートフォーカス試作レンズは以前紹介しました。
このレンズ、1972年のフォトキナにも登場しましたが、この時は更に改良が進み、自動絞り制御装置が組み込まれました。
測光はCdSを使いTTL式でサーボモーターが絞り羽根を調節して適正値を得られるようになっていたそうです。
EEコントロールユニットの技術が取り入れられているのかもしれませんね。
ただ、シャッター速度との連動に関して説明が無い事からの想像ですが、連動無しの為手動でレンズ本体にシャッター速度を設定するダイヤルのような物が設けられていたのではないかと思います。(生憎、画像の資料は持ってません、裏づけとしては、仕様のASA感度セット、シャッター速度セットなど「セット」が使われています)
また、写真工業に掲載されていた仕様を見てみますと、以前は単2電池6本でしたが、今回は単3電池6本になっています、しかし、サイズや重さは変わっていませんので、もしかしたら誤植かもしれませんが、TTL
プラス絞り制御系の重量増分と電池サイズとの相殺で偶然同じ程度の重さになったのかもしれません。

AFは無限遠基点で最大2秒かかるそうですが、2秒程度なら手動で焦点調節をしてもあまり変らないくらいですね、尤も、このレンズは無人での自動撮影などを目的として開発が進められたようですので、意義は充分あったのでしょう。

仕様
<焦点距離>80mm
<最大口径比>1:4.5
<レンズ構成>9群15枚
<画角>30度10分
<自動焦点範囲>1m~∞(手動も可能)
<測距ポイント>24mm×36mmの中央約3mmφに位置する被写体
<絞り>F4.5~32、自動絞りAEまたはコンスタントAE、手動も可能
<ASA感度セット>25~6400
<シャッター速度セット>2~1/2000秒
<フィルター径>82mmφP=0.75mm
<電源>単3電池6本
<大きさ・重さ>285×90×145mm、2.7Kg(電池含む)

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遂に完成!一眼レフの決定版

下の画像は各カメラ誌に掲載されたニコンF初の広告です。
遂に完成!一眼レフの決定版」このコピーは初期のニコンFのカタログにも使われています。
Fa_2
この写真のFですが付いているレンズの番号が最も若いとされる520001番です。
どの雑誌だったか忘れてしまいましたが、確かこのレンズと6400002番本体との組み合わせの写真が掲載されていた事がありました。
画像を見ると判ると思いますが、巻き上げレバーやフィルムカウンターカバーはSP系と同じ物が付けられています。たしかその6400002番も同じ構成でした。
まだ発売前の試作品が使われている為だと思われます、翌月の広告でニコンメーター付きのニコンF写真と共に、「新発売!NikonF」のコピーで出ている物はフィルムカウンターカバーは通常の初期型のニコンFの物でした。因みにそれに付いている5cmF2は520117番です。(このレンズは初期の取り説にも使われています。)
ボロくても良いのでこんな極初期のニコンFを手に入れてみたいものです。


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ニコンF2フォトミックS

ニコンF2フォトミックSはF2発売からおよそ1年半ほど遅れた1973年3月に発売されました。
この時ニコンF2を速度優先AE化するEEコントロールアタッチメントDS-1及びその周辺機器も発売されました。

画像はニコンF2フォトミックSのカタログの一部です。
F2s1a
F2s2a
F2s3a
F2s4a
F2s5a

このカタログの本体上面から撮った写真は7100060番と初期の機体写真の使いまわしと思われます。

フォトミックSのファインダーDP-2の受光素子Cdsや抵抗の経年劣化、汚れなどでLEDが細かく点滅したり、LEDの不点などが見られる固体が増えてきているように思います。抵抗やブラシ部分を清掃して一時的に回復する物もあるようですが、状況はDP-1のメーター指針が大きく振れたり、吸着したり、断線するのと同じように芳しくありません。実は私の所有する1つがこのような病気持ちで、防湿庫の肥しになっています。幸いあと2台は元気ですが、これもいつ同じように壊れてしまうかと思うと、EEコントロールユニットを着けて遊ぶのも長時間はやれないです。そんなわけで、実用にはDP-3とDS-2とオートニッコールの組み合わせか、DP-12とDS-12、Aiニッコールの組み合わせで撮影に持ち出しています。


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ニコンSPII & SPX

画像はニコンSPの後継機として当時開発が進められていた試作機です。
Spa
ズームファインダーの所謂SPのII型には魅力的なニッコールS35mmF1.4No.631001が付いています。
SPの復刻版が出た時、このレンズが付いてきて欲しかったという声が結構聞かれましたね。
また、バヨネットマウント、TTL露出計内蔵の所謂SPXですが、このマウントはほとんどFマウントに見えるんですよ。
試作段階ではまだ、マウントは決まってなくて、とりあえず身近に有る(汗)Fのマウントでも着けてしまえって、間に合わせで付いているのでしょうか。

えっと、試作機の事を記した資料があった筈なんですが、何処にしまいこんだのか忘れてしまい(汗)、探してみて見つからなかったので、また、出てきたら、もう少し詳しく書いて見ます。


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ニコンマクロフォトスタンドNB-2

1972年のフォトキナで発表されたこの拡大撮影装置は以前紹介した物とは別のレンズシステムを使うなど全てを刷新し装置も大きくより本格的な物になりました。

撮影倍率はNB-1同様で等倍から15倍程度を主倍率として設計されています。
また刷新されたレンズは等倍、5倍、10倍を基準に新設計し、被写体により照明装置は内蔵の透過照明と落射照明、垂直落射照明と交換して使え、本体も堅牢な構造とし、正確な焦点調節をする微動装置や移動積載台の装備により、カメラぶれのない高精度の撮影が可能となっているそうです。

<撮影倍率>
マクロニッコール18mmF1.4  6~13.8倍
          18mmF2.8  6~13.8倍
          36mmF2.8  2.4~6.4倍
          36mmF4   2.4~6.4倍
          65mmF5.6  0.4~2.6倍
<使用カメラ>
ニコンFマウントの一眼レフカメラ

<照明>
ライトボックス(100Wヨウ素ランプ)
ニコンスピードライト、ニコンマクロリングライト使用可能
<サイズ/重量>
スタンド230×265×485mm7.7Kg
ライトボックス230×265×70mm6Kg

Nb2

余談ですが、接眼部までの高さが60cm以上あります、普通のデスクの上に設置しますとファインダーを覗き込むのに台が必要に感じます。写真のようにフォトミックファインダーではなく、ここはDW-2を着けて欲しかったところです。

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ニコンF2のライバル キヤノン F-1

今回はニコンF2より半年ほど前に発売されたキヤノンF-1について少し記します。

発売は1971年3月、画像は初期のカタログの表紙と仕様表、挟み込まれていた価格表、後期オリーブドラブのカタログの表紙です。

F-1はボディ内測光の為、FやF2のように別にファインダー内に測光機能を設けなくても良いぶんファインダー廻りがシンプルで、デザインは精悍で私は好みでした。

視野率は、先日のミノルタX1(98%)やこのキヤノンF-1(97%)では、ニコンのF以後続いている100%に届いていないのです。

またF-1は、サーボEEファインダーでAE撮影が可能で、この発表の後、ニコンF2開発陣は急遽DP-2とEEコントロールアタッチメントの開発を早めたと聞いています。
しかし、発表時には間に合わず、カタログにはモックアップを載せましたので、その後、実際の発売の物とは随分違うイメージの仕上がりとなってしまいました。

F1a
このエンジ色のカタログは後のNewF-1の時にも採用されました。
F11a
F12a
F11a_2
F12a_2
F1olivea
1978年3月に発売されたOD(オリーブ ドラブ)F-1です。

F2
1970年代を代表する高級システム一眼レフ3機種の初期カタログを並べてみました。これらは厚紙を使ったり、型押しを使うなど高級カメラにふさわしいカタログとなっていました。


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ニコンF2のライバル ミノルタX-1

ニコンF2の同時代にこれに匹敵するような高級システム一眼レフカメラの1つとして出されたミノルタX1を簡単に紹介します。
1972年秋頃、フォトキナ前に発表されたように覚えてますが、正確な月日は定かではありません。
発売は翌73年の3月で当時のプロ仕様としては珍しかった電子シャッターとAEファインダー(交換式)を取り入れ、また、シャッターダイヤルは本体には無く、ファインダーに組み込むなど他社とは少し違う取り組み方をしていたように思います。
スペック的にはプラス50度湿度95%の環境からマイナス30度の極寒まで使用でき、シャッターの耐久性は20万回、巻き上げは110度で小刻み巻上げ可能、シャッター幕はチタン製、幕速9ミリセカンド、1/100秒でストロボと同調、16秒までの超スローシャッターなどF2を相当意識していたように思います。
この1/100秒とバルブは機械制御でバッテリー切れでも作動します。この値ですが、縦走行シャッターのニコンEMの機械制御の1/90秒より速いんですよね、それもEMの7年前に出てますので相当がんばっていると思います。
さて、下は初期のミノルタX1のカタログの表紙など一部を抜粋したものです。
詳しい仕様などはこちらを参考にしてください。
X1
X1_2
X1_3
X1_4
X1_5

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S系ニッコールレンズの取り説(英語版)

画像はニコンS時代の頃のニッコールレンズの英語版取り説です。
Nikkor_instructiona
私はこの頃の取り説としては、生憎、日本語版を持ってないので英語版についてのみ記させていただきます。
この頃は広角レンズなどの箱に収まるよう数センチ角の小さな冊子状の取り扱い説明書になってました。
また、同様のサイズのそれぞれのレンズの被写界深度表も別冊で入っていました。

裏表紙下に見える2809/3の数字はおそらくは昭和28年を表しているのだと思いますが、この辺のところは資料不足で確認しておりません、ご存知の方コメントをいただけないでしょうか。

私はこの説明書のレンズ、最初期の5cmF1.4、しかも148番と若い番号ですのでついつい気が行ってしまいます。

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ニコンF最初の詳報

写真工業1959年5月号にニコンFとしては最初の詳報が掲載されました。

この時はまだチタン幕が製品に間に合わなかった段階での記事だったようで、シャッターに関しては「ニコンSPのシャッターをそのまま使用」や「シャッターとその他の主要機構」に数行紹介するにとどまり、しかもチタン幕の事には全く触れられてはおりませんでした。
多くのページを割いたのは下の画像の通り新マウントの自動絞りや露出計との連動やクイックリターンミラー、アクセサリーに関してでした。
耐久性の高いチタン幕のシャッターに関してはその3ヵ月後の写真工業1959年8月号「評判カメラ・ニコンF」に少し掲載されました。
F1a
F2a
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F5a
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ニコンSのS接点のシンクロ速度その2

以前にニコンS型のスピードライト使用時のシャッター速度に関する事を少し記しました。
確か普通のモデルではS接点で1/20で使うのが作法なのですが、一応経験上1/30でストロボを同調させても大丈夫、1/40では一部ケラレるのでNGだといったようなことを書いた覚えがあります。

今回はそれに類する資料が写真工業1953年9月号に載ってましたので画像を一部掲載します。
Sa

上の画像はポータブル・ハーシュー・サンライトII型というスピードライトを使用して光の回り方などを検証したものと、ニコンS型のS接点使用時の最高シンクロ速度の検証時の写真です。

このときの記事によりますと、(下段の写真でもわかると思います)「ニコンのSソケットにコード・プラグを接続し、ネガ全面にシンクロさせる最高のシャター・スピードは1/30だ(第三図)」となっています。
(しかし、上段の右の50ミリレンズ使用時以外は中段のものも含め1/20を使っています。)

また、私はすっかり忘れていましたが、記事の「ニコンは、シャターを捲く迄はフラシュ回路は閉じたままとなっている。それ故、撮影したら直ぐフィルムを一齣進めておくか、又はシャターの接続コードを抜いておく事が大切である。」の部分を見て、随分前にS接点に発光準備済みのストロボのコードを挿した瞬間に発光したのを思い出しました。この時巻き上げ前の状態だったという訳です。

現在手持ちのコードは、外皮が硬化ししかも一部表面がひび割れてボロボロですので、手製のコードでしのいでいますが、やはり純正の状態の良い物が欲しいところです。しかし、なかなか見つかりませんね。

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カメラ関連出荷台数

先日(株)ニコンの平成20年3月期第3四半期財務・業績の概況/業績関係データが発表されました。
その中の資料にカメラ関連出荷台数の表がでてました。
203a
「(株)ニコン平成19年3月期決算データより」

今期後半はD3やD300その他デジカメの販売が好調、それに伴い交換レンズの売り上げも伸びたとの事で上の表のH19年3月期決算時に出した通期予想より若干数値があがるようです。
詳しくは決算短信の該当部分を見てください。

随分前から銀塩フィルムカメラが衰退していますが、フィルムカメラを現在販売しているニコンでも、この報告データには出せないくらい小さな数字なのでしょうか。
銀塩派としては悲しいものがありますが、それでも、ニコンに限らず、少しでも永く機材やフィルムを供給し続けて欲しいと思います。

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ニコン旧シンボルマークの詳細図

私の好きな、1960年代後半頃から、1980年代初め頃まで採用された、長円形の中にNikonのマークですが、これの寸法などを記した図が75年史に掲載されていますので紹介します。
Nikon
寸法を見ますと59cmの幅があります、文字Hを100に設定した関係でこのサイズになったのでしょうが、原寸図をおこすにはA0やA1の製図機なら作図するのに適当なサイズでしょうから、これを基準に各種使用する場合、拡大・縮小していったのでしょうか。
これは手書きですし、原寸図ではなかったようで、Oなど外の円は3種の円の接線を繋ぐ必要がある、内側の円も2種の円の接線を繋ぐので表示が細かくなるなどで、数字がつぶれて見難い部分もあります、今ならCADでちょいちょいと描け、しかも文字も見やすいのですが、当時は結構時間が掛かっていたのでしょうね。


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AF-IとAF-Sの名の意味

今回はサラっと小ネタで失礼します。

F3AF用以降で、レンズ内モーターを採用したAFニッコールレンズと言いますと、AF-Iニッコールがあります。
この意味ですが、前半の「AF」は「オートフォーカス」で分かりやすいのですが、後半の「I」は何でしょうか?

実は「特に意味は無い」と聞きました、しかし、強いていえば「Intensified:強化された」と解釈していただければ良いとも言われました。

また、AF-Sの後半の「S」は想像どおりサイレントウェーブモーター(Silent Wave Motor)の頭文字から命名したそうです。

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最高毎秒50万コマの超高速度カメラ

古いニコンの製品カタログの一隅に大抵掲載されているので一度はご覧になった事があるかと思います。
植村式超高速度カメラUHF-500型の画像です。
A
75年史によりますと、このカメラは昭和40年9月に東京大学工学部植村恒義助教授(当時)の考案により「ニコン・植村式超高速度カメラUHF-500型」として発表されました。
爆発、破壊、放電などの超高速度現象の変化を記録・解析する為のもので、4面体回転反射鏡を小型タービンで毎分19万回転させ、その円周上にある長さ1mのフィルムを巻き付けた回転ドラムを回転させ、世界一の(当時)最高速度毎秒50万コマの撮影が出来る仕組みになっていました。
超高速度現象との同期は、タービンが所定の撮影速度に達するとパルス信号を発することにより行い、連続撮影コマ数は600コマまで撮れた、となっています。
また、この開発により昭和43年4月に植村氏及び日本光学設計者は科学技術庁長官賞を受賞したそうです。

連続で600コマ撮影といってもほんの一瞬、僅か数百分の一秒のことなんですが、一瞬の出来事を記録するにはそれでも充分長い時間なんでしょうね。
因みに同方式では今では秒1000万コマ、他の方式ではもっと速い物もあるそうです。

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レフレックス・ニッコール500mmF8

500mmf81a
500mmf82a
このレンズは昭和44年3月に発売されました。
それまでのレフレックス・ニッコール50cmF5は明るくてピントを合わせやすいのは良いのですが、絞りが無い為被写界深度は浅く、しかもボケのリング形状も目立ちやすい、軽量だが嵩張るなどの欠点がありました。
そこで、それらを差し支えない範囲にするよう新設計されたのがこのレフレックス・ニッコール500mmF8です。

私はこのマルチコートタイプ(C)を一応持ってはいますが、私の撮影用途ではほとんど使わないので防湿庫の肥しとなっています。
むしろ、こちらよりもさらにコンパクトなので、タムロンの1世代前のレフ500mmF8(55B)を三脚に単体で据え付けて、ニコンのレンズスコープコンバーターをさらに着けて望遠鏡代わりでの出番が多いくらいです。

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ニコンF2 DE-1ファインダーの変更点

ニコンF2用DE-1アイレベルファインダーの変更点について分かっている事を記します。
大きく分けて3タイプになると思います。

初期は外観で見える部分のネジは全てマイナスネジです。
擬革はFと同様のシボ、下面内部にモルトプレンが貼ってあります。(Type1)

その後擬革はF2の通常のシボに替わりましたが、ネジはマイナスでした。(Type2a)
いつ頃から替わったのかはっきりしませんが720万台初め頃にはアイレベル付きでもF2のシボになってましたのでその頃、昭和47年10月頃出荷の物からと思われます。
その後抑えバネやDE-1を単体を接眼部側からみると接眼部奥左右に見えるネジなどがプラスに替わりました。
ただ、この時期は判りませんでした。(Type2b)

その後モルトプレンからDP-1などと同様に裾ゴムを使うタイプに変更になりました。この時期は昭和48年からですが、詳しい時期はこちらも判っておりません。(Type3)

その後はチタンのDE-1も含めこのタイプで終了したようです。ファインダーブロックを留めている下側から見えるネジはマイナスで3タイプ共終始しています。

因みにアクションファインダーDA-1の擬革は初期はやはりFと同様のシボ、かなり在庫があったのか結構永い期間このタイプを見かけました。その後はF2のシボです、抑えバネのネジも初期はマイナスでしたが途中からプラスネジに替わりました、ただ下面内部のモルトプレンタイプは最終まで変更されず、おそらく製造ロット数も多くは無かったのではないかと見ております。こちらは単体販売のみでしたので流通在庫などの関係もあり、発注記録などを見ないと時期の特定は難しいと思われます。

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ニコンF2のフォトミック系ファインダー調査結果

ニコンF2のフォトミック系ファインダーの情報をまとめてみました。
現時点で87台の情報が集まりました、皆さんのご協力感謝いたします。

 DP-1付きF2の製造数は40万2000台余りあります。
他に単体での発売数も何パーセントか在りますので実数はそれより多くあります。
DP-1の番号は先日記しましたように20万台~60万台まで見られます。
DP-1の番号で初期は20万台から始まったようです。

 20万台のDP-1は710万台から737万台のF2で見られました。製造時期で言いますと、昭和46年7月から49年4月までに該当します。*1初期型から*2中期型にあたり、期間が永く、過度期なのかその中間のバリエーションも見られました。
 40万台のDP-1は714万台から736万台のF2でみられました、他に752万台の物に46万台のDP-1が付いた物もありましたが、こちらのDP-1はマイナスネジでしたので時代が違うようで付け替えと判断しました。こちらの製造時期は昭和47年6月から49年4月までに該当します。タイプは*1初期型から*2中期型が見られます。
 50万台のDP-1は740万台から761万台のF2で見られました。製造時期は昭和49年5月から50年8月までに該当します。*2中期型から*3後期型にあたると思います。
 30万台のDP-1は757万台から764万台のF2で見られました。製造時期は昭和50年7月から51年6月までに該当します。この頃は*3後期型となっています。
 60万台のDP-1は759万台から783万台のF2で見られました。製造時期は昭和51年9月から52年9月までに該当します。こちらも*3後期型です。
 因みにDP-1付きF2の最終製造時期が52年4月から9月でブラック773~776万台、クローム786~787万台でこの間に合わせて1000台余りが出荷されています。
Ai仕様のDP-11の販売開始後、半年ほどは出荷が続いていたようです。

 DP-2は50万台の番号のみ確認、735万台から800万台のF2でみられました。DP-2付きF2の最終出荷はDP-1付きと同時期でしたので、800万台ボディの物は付け替えと考えています。
DP-2付きの製造台数は72800台余りです、単体DP-2の販売分と合わせても10万台に満たなかったのではないかと推察しています。

 DP-3は70万台のみ確認しています。本体番号は763万台から787、792万台、で見られました。DP-3付きF2の出荷台数は少なく21400台余りですので、こちらも70万台のDP-3以外は見られませんでした。最終出荷時期は昭和52年12月頃ですので792万台のSBはファインダーの付け替えと考えています。

 DP-11は本体付き出荷台数が153000台余りで、番号は10万台と30万台が見られ、クロームの789万台で12万台のDP-11、クローム804万台で12万台のDP-11、ブラック791万台で34万台DP-11、ブラックの775万台のDP-11で32万台と、番号が箱などで確認できている物に関しては、白黒でDP-11の番号が分けられている印象ですが、サンプル数が少なく、偶然そのような物が集まったに過ぎないのかもしれません。10万台と30万台の時期はほぼ被っているようですが、サンプル数が10台に満たなかったので特定は出来てません。

 DP-12は80万台のみ確認できてます、こちらも本体との組み合わせでの出荷数は83100台余りで単体物と合わせても10万台には行かなかったと思われます。
こちらは販売期間の短さの割りに多かった印象で最大番号は893***を確認していますので、もしかしたら80万台以外の番号帯もあるかもしれません。
ファインダーの付け替えが多いのか、本体番号は715万台から804万台まで見られました。

各ファインダーのバリエーションですが、DP-3以降の物は違いを見つけられませんでしたが、内部的な部品の変更はあるかも知れません。
 DP-2は50万台の初期に抑えバネの留めネジ部、裾ゴム留めネジともマイナスネジの物がありました、54万台では抑えバネのみマイナス、59万台では全てプラスネジでした。

とりあえずDP-1を便宜上分けますと、、、
 *1初期型は擬革がFと同様の物でネジ類はマイナスが使われ、着脱レバーは押し下げるのみのワンアクション、対象型のメーター、接眼部カバーは角ばった物で擬革は上下に巻き込んでいる物。
 *2中期型は擬革はF2の物、見える部分のネジはほぼプラスネジ、着脱レバーは軸方向に押し込んで下げるツーアクション、対象型メーター、接眼部カバーはラウンドが付いて角のアールも大きめの四角形のDP-11やDP-12などと同形状の物。
 *3後期型は中期型に非対称右下に指針退避場所のあるアンプル型メーター、ダイヤルカップリング部に赤か緑の点状の刻印、見える部分のネジ類は全てプラス。
、、、としましたが、それらの中間的な物もみられます。

 DP-1は最初期から最終までに期間も永く、台数も多いので、細かく変更が見られますが、番号帯が被っている事、修理の際の部品の入れ替えが有る事、本体との確かな組み合わせ確認数が少ない事などで特定できずにいるどころか、サンプル数が増えるに付き混乱の度が増してしまいました。
 現時点でいえるのは、30万台のDP-1に関して緑の点が付いた物のみ確認できている事くらいです。
50万台は赤点付き、なし、対象型メーター、非対称型メーター、いろいろで中期から後期への端境期に感じました。引き続き調査は続けますので、その他は今後の宿題とさせてください。


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遂に完成!ユニバーサルファインダー完全内蔵のニコンSP

「遂に完成!ユニバーサルファインダー完全内蔵のニコンSP」
この広告はニコンSPが新発売された時のものです。
Spa_3
さて、このSPのユニバーサルファインダーの望遠側はカラフルな色でダイヤルを回して見るのも楽しいのですが、この構造を簡単に示した模式図がアサヒカメラ33年4月号のニューフェース診断室に掲載されてました。
Spa_2
この図を見ると一目瞭然ですが、フォーク状マスクの移動に伴い、フレームの切れている位置も移動します。
このことに関し、件のアサヒカメラでは「前のフレームの区切られた単線の形が、伸びたり縮んだりあたかも生きているように変化するのはどうかと思われる。」と評してますが、私はあまり気になりませんでした。
皆さんはどうでしょうか?


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AFMicroNikkor55mmと60mm

Fマウントオートフォーカス用のマイクロニッコール55mmは従来からあるマニュアルフォーカス用55mmF2.8と共通の光学系でした。(1986年4月発売)
Afmicro55mmf28a
しかし、MF時の操作性は初期のAFレンズのご多分に漏れずあまり良くはありませんでした。

MFの操作性も考慮した新設計の標準系AFマイクロニッコールとして下の物に切り替わりました。(1989年10月発売)
Afmicro60mmf28a
操作性は距離環のサイズや近接時と通常撮影時のリミット切り替えの追加などMF、AF時共良くなりました。
また、光学系も新設計となり、よりコントラストの高い像が得られるようになりました。
1993年12月、こちらも距離情報が追加されたDタイプになりました。

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ニッコール初の望遠系近距離補正レンズ

Aiニッコール85mmF1.4Sはカタログにありますように、Fマウントニッコールの望遠系レンズとしては、初めて近距離補正機構を組み込みました。

85mmf14ais1a
85mmf14ais2a
下の図はこのレンズの近距離補正でのレンズの動きを示したものです。
85mmf14ais
これを見ますと、最後群の1枚は、無限遠から最近接まであまり移動しない事が分かります。
10年ほど前までは好んで使ってましたが、AFの85mmF1.4を使い出して、こちらの方がヌケが良く、コントラストも高く感じ私の好みにより近かったこともあり、結局MFの方は手放してしまいました。
ただ、MF時の操作感はAi85mmF1.4Sの方が良く、ディスコンになってしまったので、こちらもまた、再入手を考えています。
皆さんはどちらが好みでしょうか。


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ニコンF2フォトミック系ファインダーの製造番号

F2のフォトミック系ファインダーでDP-1の製造番号を見ますと、20万台、30万台、40万台、50万台、60万台が有ったようで、そのうち50万台の途中どうやら526***台くらいから耐磨耗対策が始まったように思います。
DP-2は50万台、DP-3は70万台、DP-11は10万台、30万台 DP-12は80万台の番号を見かけます。
DP-1の30万台はDP-11と、50万台はDP-2と被ってますが、それ以外では、今のところ、私が調べた範囲では、数字が分けられている印象です。

【こちらを見ている皆さんにお願いです】
F2のフォトミック系ファインダーの型番と製造番号、さらに、DP-1やDP-2の場合ファインダーを裏から見てスクリーンを押さえるバネ(部品名bottomplate spring)を留めているネジがマイナスかプラスか、DP-1では裏から見てシャッターダイヤルカップリングの部分に赤い点か緑の点の有無、メーター形状で左右対称型かアンプル型か?をこちらにコメントいただけないでしょうか?
また、本体とオリジナルの組み合わせの場合、本体の番号も合わせてコメントいただけますと参考になります。
DP-1の場合、20万台と40万台に初期型の特徴のファインダーが見られます。
下の画像のように、擬革がF同様の物か?接眼部が角型で上下に擬革が巻き込んでいるか?着脱レバーがワンアクションか押し込む動作が必要かなども合わせてコメントいただけますようお願い致します。


Dp1a_2
上の画像は45万台のDP-1で擬革はF2の物で接眼部やネジなどは初期型の特徴を持っています。
右上の小さい画像は初期型20万台前半のもので擬革がFと同様の物です。
これらの初~中期型特徴を持ったDP-1付きF2のボディ番号も調べていますので、該当機種をお持ちの方が居られましたらご協力お願い致します。

*データが集まりましたら、後日、当ブログにて発表させていただきます。しかし、個人的な情報も含まれますのでコメントは非公開とさせていただきますので、皆さんのご協力、宜しくお願い致します。

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ニコンF2 DE-1Titan

これはあまり知られてはいませんが、ニコンF2チタン販売後の一時期に報道機関などの強い要望によりDE-1のチタン外装の物が単体で発売されました。

生憎私は入手出来なかったのですが、知人のを見せて貰った時は、箱は普通のDE-1で、それにネーム入りのTitanのシールが貼ってありました。
また、これとは別にネームなしのTitanのシールが貼ってある箱もあるそうです。

このファインダーは、F3の場合、DE-3のチタン版がDE-4であるように、DE-1のチタン版なのでDE-2と型番が振られてもよかったように思いますが、既にF3用にDE-2が出来ており、また、価格表にも載せないExtraPartsの意味合いが強かったので型番もそのまま、シールによる区別となったと考えています。

ところでこのDE-1チタン外装品ですが、F2チタンに標準で付いていますし、F2H-MDモデルにも標準で付いています。このほかにこの単体販売品が存在しますので、実数はゆうに1万個を超えている筈ですから決してレアでは無いのですが、なにぶん実用の場合は一番傷める部分ですし、コレクタブルアイテムなので、綺麗な物を単体で見つけるのは困難なのには違いはないです。

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