受光素子の特徴
カメラの測光に使われている受光素子には古くはセレニウムを使ったセレン光電池式の物からCdS(硫化カドニウム)を使った物が主流になりました。
セレン光電池の特徴は分光感度特性が比視感度特性に近い事、起電力が小さく電力確保と測光範囲を広くするには受光面積の拡大が必要、電源が不要、セルの形状は自由度が高い、反応が遅い、複眼レンズが必要、生産性が悪い、経年劣化が大きいなどがあります。
CdSの特徴は入力対出力の直線範囲が広い事、安価、可視域での感度が大きく分光感度も良好、低輝度での反応が遅い、入射光が弱いと特性の温度変化が大きい、経年劣化が大きい、光履歴特性(暗黒中に長時間放置した場合反応速度が遅くなる)がでるなどです。
その後CdSに替わって主流になったのはSPD(シリコンフォトダイオード)でした。また、それより少し遅れてGPD(ガリウム砒素リンフォトダイオード)も登場しました。
SPDの特徴ですが、直線性がよく応答速度が速い、入射光のダイナミックレンジが広い、暗電流(雑音)が小さい、分光感度特性が赤から赤外に感度が高く(900nm付近)人の目やフィルムの感光特性とズレがある為視感度補正(フィルター)が必要、光履歴特性、クリープ特性が無く安定している事です。
GPDは直線性・応答性が良くほぼSPD同等です、また、人の視感度曲線に近い分光感度特性なのでフィルターは不要ですが、先に出たSPDとはコスト的にも大差が無く、これといった差別化できる特徴に薄く、また、毒性の強い砒素が使われている事もマイナス要因に働いたのか、ニコンではFMに使われましたが、後のFM2ではSPDになってしまいました。
その後AFカメラなどはCCDが使われだし、F5以降では3D-RGBマルチパターン測光で被写体の色を認識し露出決定しています。
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