オートニッコールワイドズーム3.5cm~8.5cmF2.8~4
このレンズはニコンF用の3番目のズームレンズとなる筈のもので昭和36年春に発表もされ定価も95000円で秋には発売される予定でした。
レンズ呼称も初期のズームレンズと同様に「オートニッコール○○ズーム」*1が頭についたオートニッコールワイドズーム3.5cm~8.5cmF2.8~4で正式な表記は「Auto NIKKOR Wide・Zoom 1:2.8 f=3.5cm-1:4 f=8.5cm」となっていました。
簡単にスペックを紹介します。
焦点距離:35mm~85mm
口径比:F2.8~4
最小絞り:16
レンズ構成:8群13枚
画角:62度~28度30分
最短撮影距離:1メートル
アタッチメントサイズ:82mm
寸法/重量:90mm(径)×95mm(全長)/1100グラム
フィルターはそれ以前に出ているテレフォトズームと共用でき、シリーズ9をネジ込み式フードに挟み込んで使用します。
また、開放F値が変動しますので外光式の露出計では使い難い為、F値を4以上にしておきますとズーミングにより焦点距離を変えましても常に一定値となり、ニコンメーターやフォトミックファインダーでも補正無しで使えるようになっていました。
発売が見送られた理由はサイズ・重量が大きい事と歪曲収差など各収差が多少めだった為といわれてます。
*1:オートニッコール時代の43~86mmズームなど後の呼称は「ズームニッコールオート」で呼称の違いは、想像ですが、開放F値が変動か一定かの違いで変えられたのではないかと考えています。
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