ウエムラスペシャル
1978年の植村直己による北極点単独行とグリーンランド縦断に使われたF2のウエムラスペシャルは3台有り、そのうちの1台はマッキンリーにも持参、もう1台は故郷である兵庫県日高町の「植村直己冒険館」に、そして3台目は(株)ニコンに保管してあるそうです。
皆さんご存知のようにカバー類はチタンが使われていますがマイナス40度以上の耐寒性能を維持するのには真鍮素材より有利だった事も採用された理由の1つだったそうです。
F2ウエムラスペシャルの外観で特徴的な巻き戻しクランクの赤いラインですが、フィルムの巻き上げが確実に行われている事を確認しやすくしたためだそうです。また、他に枚数計の数字は30以上をやはり赤くして、終端でのフィルム切れやパーフォレーション切れがないように、赤が出たら巻き戻す目印にしていたそうです。
その時使用されていたレンズですが28mm~45mmF4のズームで、こちらも通常のレンズのヘリコイドグリスを、低温域で使用する耐寒用グリスと交換した特別仕様の物でした。
マッキンリー冬季単独登頂時には使用されることのなかったF3チタンのプロトタイプ(ウエムラスペシャル)は2台が現存し、現在ニコングループ会社(水戸ニコン)で保管されているとの事。このカメラは後日女優の和泉雅子さんが北極に持って行き、オーロラの撮影に使用されたそうです。
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