ニコンF3のTTL調光スピードライト
ニコンではスピードライトにおいて最初にTTL調光を可能にしたカメラは1980年発売のニコンF3です。
F3のアクセサリーシューはニコンFやF2と同じように巻き戻しクランクのある部分に独自規格で設けてあります。
専用のスピードライトもこの独自規格に合わせて作ってありますので結果的にこの後にでた他のカメラのTTL調光ストロボ(スピードライト)とは互換性が保てなくなってしまいました。
具体的には専用スピードライトはその構造を利用してカメラ本体にセットしたフィルム感度を直接読み取る構造と(スピードライトの基部をロックする形で回転させるとフィルム感度も同時に設定される)なっています。
F3の後には、FGを初めとしてFE2やFAにもTTL調光機能が盛り込まれました、この時のアクセサリーシューはペンタプリズム部に設ける一般的な形状となってます。その為、対応するスピードライトはF3用のものとは異なるものとなってしまいました。
また、これらのカメラの場合には、対応するスピードライトがフィルム感度を機械的に読み取る構造にできず、全く別のTTL調光方式になりました。
F3の後継であるF4やF5、F6もアクセサリーシューは一般的な形状のものを採用したために、F3のみが異なる方式で残る結果となってしまった訳です。
F3の後に出たTTL対応スピードライトを使えるようにするには1999年9月23日発売のガンカプラーAS-17の出現まで待たないといけなかったのですが、おそらくニコンF3用アクセサリーの中でこれが最も遅くに出たものの1つだと思います。
| 固定リンク
「NikonF3」カテゴリの記事
- 野火重本のF3(2014.04.06)
- キヤノン ニューF-1 診断室(2014.02.23)
- NASAは、三度パートナーにニコンを選んだ。(2013.12.19)
- ニコンF3新発売広告英語版(2013.11.30)
- 「スーパーニコン」―ボディ内に全ての測光系統を集約した。(2013.09.20)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
F3とそれ以外とでは、形状だけでなく、調光方式が全く違うらしいです。F3においては、調光の主体はスピードライト側にあり、F3が「受光素子を貸す」という形になっており、F3以外においては、調光の主体はボディ側にあり、カメラボディがスピードライトに「光量を指示する」という形になっているのだそうです。これはサービスステーションにおいて口頭で聞いた話でして、裏付けは取っておりませんので、もし間違っていたらごめんなさいです。この話が本当だとすれば、F3+AS-17においては、調光の主体はアクセサリーシューが持つことになりますね。
投稿: スポック | 2007年3月30日 (金) 03時21分
スポックさん、コメントありがとうございます。
現在の物は何かと複雑で私の理解力が追いつかないので難しいことは書けませんが、F3以降機種でのTTL調光の場合は、ボディ側の回路でフィルム感度を含めた演算をしてカメラ側からスピードライトへは発光停止の信号を送っているのだと解釈しております。F3の場合は、それをスピードライト側でやっているので、フィルム感度の信号を伝達する必要があるのではないでしょうか。SSの方はその事をおっしゃっていたんでしょう。
投稿: MARU0 | 2007年4月 7日 (土) 15時01分